(前回「ドルはどこまで下がるのか? (2)」からのつづき)
今井雅人さんは『ザイFX!』の連載コラム「為替で読み解く世界経済」の第1回で、「為替相場は世界各国の通知表」と書いている。
では、円高が進んでいる最近は日本経済絶好調! ということなんだろうか!?
「日本の景気は全然いいわけありませんよ。昨年、サブプライムローン問題が騒がれて以降は世界のリスクマネーが膨らむかしぼむかに焦点が当たっています。世の中が安定していてリスクマネーが増えれば、株は高くなるし、為替では低金利の円を売り、高金利の外貨を買う動きになる。逆に世の中が混乱すればリスクマネーは収縮。株は売って、外貨買いもやめる。それで円高になっているだけの話です」
そして、「今はリスクマネーの収縮が円高の原因になっているけれど、次は他の国の経済が減速してくることが、相対的に円が強くなる原因になる」という。
「これから世界経済はもっと減速すると考えています。アメリカの景気が悪化すると、それが波及して次は欧州など他国の景気が悪化する。だから、今年はクロス円で円高になると考えています。日本の景気も悪いけれど、他の国はもっと悪くなるから、円が買われる感じですね」
クロス円とはドル以外の通貨(ユーロ、ポンドなど)と円の通貨ペアのこと。ドル/円がずいぶん下がったのに比べ、クロス円はまだ比較的高い水準にある。これがこれから落ちてくると今井さんは予想しているのだ。
世界全体が不景気になる時、円はその輝きを増すのである。
■今年は外貨へ長期投資する絶好のチャンス
「今年についていえば、FXで円買いするのはあり得る戦略。ドル/円はもうかなり安いので、円買いする局面ではなく、たとえば、ユーロ/円やポンド/円で円買いするのがいいでしょう。特にイギリスはアメリカと似ていて、住宅バブルが崩壊しかかっていますからね。ポンドは売りだと思います」
買いからも売りからも入れるFXでは、相場が上がろうが、下がろうが利益を上げるチャンスがあるわけだが、それにしてもなんだか不景気な話が多いものだ。
けれど、実は今井さん、「今年はチャンスの年」だという。
何がチャンスなんだろう?
「今年、仮にすごく円高になったとしたら、外貨への長期投資のチャンスですよ。今までの円安は異常でしたし、新興国の株高も異常でした。今は異常になっていたものが正常化しているだけ。手段はFXに限らず、外国株の投信でもいい。円高になったら外貨建ての資産に投資する絶好のチャンスだと思いますよ」
今井さんは「今年はドルが下がりきってから反転する年」と見ている。その反転ポイントが長期投資の絶好のチャンスになるのかもしれない。
(次回は松田哲さんにご登場いただく予定です)
(ザイFX!編集部・井口稔)
買いからも売りからも入れるFXでは、相場が上がろうが、下がろうが利益を上げるチャンスがあるわけだが、それにしてもなんだか不景気な話が多いものだ。
けれど、実は今井さん、「今年はチャンスの年」だという。
何がチャンスなんだろう?
「今年、仮にすごく円高になったとしたら、外貨への長期投資のチャンスですよ。今までの円安は異常でしたし、新興国の株高も異常でした。今は異常になっていたものが正常化しているだけ。手段はFXに限らず、外国株の投信でもいい。円高になったら外貨建ての資産に投資する絶好のチャンスだと思いますよ」
今井さんは「今年はドルが下がりきってから反転する年」と見ている。その反転ポイントが長期投資の絶好のチャンスになるのかもしれない。
(次回は松田哲さんにご登場いただく予定です)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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