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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

今晩の雇用統計はアメリカの連休前、
短期決戦型になるのだろう

2010年07月02日(金)19:13公開 (2010年07月02日(金)19:13更新)
持田有紀子

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 私はドル円ショートを持ちっぱなしていた。ドル円は今年の最安値の88.00に限りなく近づいてきていた。通常ならば安値で跳ね返される恐怖心がもうちょっと湧いてくるのだが、今回の下攻めは妙に安心感を持って見ていられた。3月と5月に88円台の前半でリバンドしたのは記憶に新しいが、今度の下方向には株安をはじめとするリスク回避の大きな流れがあるからかもしれない。

 ただ気をつけておかねばいけないのは、関係者の口先介入。とくに菅首相はちょっと前まで財務大臣をやっていたときに余計なことを言って顰蹙(ひんしゅく)を買ったこともある。昨夜の20時過ぎ、私は夕食を取りながら会合をしていた。ドル円は88.20くらいで安定しているが、本来ならばとても緊張の強いられるところのはずだ。

 ところが円安容認派の菅首相も選挙が近づいてきているので、ダンマリを決め込んでいて、マーケットには何も聞こえてこない。そろそろ88円割れは時間の問題だろうと思っていたし、割れたところでは調子に乗って売り乗せをしようと考えてもいた。その値段が安ければ安いほどよい。その分だけ私の体力も増強することになる。

 そう思っていたら、ついにドル円87円台に突入していた。会合そっちのけで私は即座にドル円を売りこんだ。@87.97だった。ところが売ってはみたものの、ぜんぜん走らない。これは余分なポジションなので、きっちりとロスカットのストップ注文をすぐ近くの88.20で置いておいた。

 しばらく相場は87.90から88.00の間でウロウロしていたが、21時半の経済指標の時間が近づくにつれてロング勢の投げが出てきた。戻りきらないものは持っていても仕方がないのだろう。それでも下げ幅は50ポイントくらいのもので、私が想像していたような2円級の急落とはならなかった。

 そこでストップレベルをさらに下げて88.00で設定して、今度は23時の住宅のデータを待つことにした。早々に会合を切り上げてPCの前に張り付いて相場を見ることにした。まあドル円がフレッシュなレベルをやっているのだから無理もない。米国株が始まったが急落の度合いを増している。これも今年の最安値を抜けてきたのだから、売りが売りを呼ぶ展開になっているのだろう。

 マーケットはますますリスク回避モードになって、ドル円は87.40あたりで安値張り付きの状態となってしまった。ただいつものリスク回避と違っていたのは、クロス円が安くないことだ。むしろドルが全面安となっていて、ユーロドルやポンドドルがやたらと上がっているのだ。ドル円でドルショートを持っている私としては、どちらでもよいのだが、ふとリスク相場になっていないことで注意だけはしておこうと思った。
 その後に発表になったISM製造業も住宅予約の数字も悪く、米国株がさらに差し込んでいる間にドル円はとうとう86円台に差し掛かった。私はもう一発売りこんでみたが、結果的にはこれは失敗だった。すべてのポジションを@87.23で買い戻させられることになった。

 さて今晩は雇用統計である。とはいっても私は夜に仕事があるので、トレードはできない。今回の雇用統計はペイロールがマイナス12万5千、失業率9.8%というのが事前のコンセンサスである。さんざん今週は悪い経済指標が出てきていて、それを織り込んできている。

 それに本日は独立記念の3連休前の金曜日なので、すぐにお休みモードに入っていってしまうだろう。前回分の43万人増は国勢調査の季節要因が大きいため、マイナス20万人くらいまでならばあまりサプライズでもない。雇用統計の値動きに合わせて短期トレードするのであれば、でロング攻めのほうが良いような気がする。


日本時間 19時00分

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