偉大なる投資家、ジム・ロジャーズ——。
彼がこのたび、日本の証券会社の招きで緊急来日し、投資セミナーを開いた。ジム・ロジャーズは揺れ動く今の世界経済をどうとらえ、どんな見通しを持っているのか? 株は、為替は、商品相場は、これからどう動くと読んでいるのか? ダイヤモンドZaiではジム・ロジャーズにインタビューを行った。
インタビュー+ジムがセミナーで語った内容は近日中に『ザイ・オンライン』で公開予定。また、10月21日発売の『ダイヤモンドZAi』12月号にも掲載予定なので、楽しみにお待ちいただきたいが、当コーナー「ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?」では、その中で為替相場について彼が語った部分について、一足先にレポートしたい。
■10年で3000%以上のリターンを上げた偉大な投資家
「この人、誰ですか? コメディアン??」
撮影してきたジム・ロジャーズの写真を見て、こんなことを言った人がいた…。
いやいや、この方はコメディアンではありませんよ! 確かにトレードマークの蝶ネクタイをつけた姿は、一見コメディアンにも見える親しみやすい風貌ではありますが……。
個人投資家のみなさんでジム・ロジャーズを知らない人は少ないと思うが、念のため、ここで簡単に彼の紹介をしておこう。
ジム・ロジャーズは1942年生まれ。かのジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを設立し、10年間で3000%以上とも4000%以上とも言われる驚異的なリターンを上げた大投資家だ(リターンの数字には諸説ある)。世界で著名な投資家を5人挙げろと言われれば、そこに入ってくるだろうスゴい人なのである。
彼は37歳で早々と第一線からは引退。その後、バイクと車で2回も世界中を巡り、投資家の視点からたくさんの国々を見て回った。そのため、”冒険投資家”というふうに呼ばれることもある。また、近年の商品相場の高騰を早くから予想していたことでも名高い。
そんなジム・ロジャーズだが、米国経済とドルの先行きについては悲観的だ(これは彼の以前からの主張でもある)。
■かつてのポンドのように、ドルは基軸通貨ではなくなっていくだろう
「米国はひどい景気後退に入っています。第2次世界大戦以降、最大の危機にあると思います。米国には投資すべきでないと思いますし、ドルに投資するのも賢明ではないと思いますよ。もし、あなたがドルを買いたいのなら、今、私が持ってるドルをお売りします(笑)」
ドルはこれまで世界の基軸通貨として君臨してきた。ユーロの存在感が高まっているとはいえ、世界の基軸通貨がいまだドルであるのは確かだ。しかし、ジム・ロジャーズはこう語る。
「ドルが世界中どこでも通用する時代はやがて終わるんじゃないでしょうか。私は娘にもアメリカのドルの銀行口座を持たせていません」
ジム・ロジャーズが溺愛しているのが今年5歳になる娘。ちなみに今年になって2人目の女の子が産まれたそうだ。
「ドルは世界の基軸通貨ではなくなりつつあります。アメリカの債務は膨大な額にのぼっており、まったくひどい状態です。かつて、イギリスのポンドが基軸通貨でなくなっていくことを知らなかった人たちは大きな損をしました。アメリカのドルはポンドと同じようなことになると思っています」
■最近買った通貨は日本円とスイスフラン
アメリカに対して、ドルに対して、悲観的なジム・ロジャーズだが、彼は最近どんな投資をしたのだろう?
「私が最近何を買ったか申し上げましょう。世界の航空会社の株、農業関連の株を買いました。中国株も買いました。通貨では、日本円とスイスフランを買いましたよ」
リスク回避時に買われるという日本円とスイスフランをジム・ロジャーズも買っていたのである。
アメリカに対して、ドルに対して、悲観的なジム・ロジャーズだが、彼は最近どんな投資をしたのだろう?
「私が最近何を買ったか申し上げましょう。世界の航空会社の株、農業関連の株を買いました。中国株も買いました。通貨では、日本円とスイスフランを買いましたよ」
リスク回避時に買われるという日本円とスイスフランをジム・ロジャーズも買っていたのである。
ドル/円(上)とドル/スイスフラン(下)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円月足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/スイスフラン月足)
この夏以降、円以外の通貨に対してドルは反発上昇している。ジム・ロジャーズはかなり長期的なスパンで投資を行う人。なので、彼は「短期トレードは専門外で苦手」と前置きしつつ、短期的なドルの見通しについてこう語った。
「ドルの反発は続くと思いますが、楽観的には見ていません。この反発が長く続くようであれば、手持ちのドルを全部売ろうと思っていますよ」
(ザイFX!編集部・井口稔 撮影/和田佳久)
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0.3pips原則固定 (9-27時・例外あり) |
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※スプレッドはすべて例外あり。この表は2024年12月2日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、各FX会社の公式サイトなどで確認してください |
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