それは2007年4月のこと。「FXなどで約4億円の利益を上げ、1億3000万円を脱税したとして、東京都世田谷区に住む主婦を東京国税局が告発した」というニュースが流れた。
「FXはそんなに儲かるものなのか!?」
「普通の主婦が億単位の利益を上げたなんて…」
「巨額脱税なんてけしからん!」
このニュースを聞いた人はさまざまな感想を抱いたことだろう。とにかく、いろいろな意味でこの話題はFXの世界に衝撃を与えたのである。
■”世田谷4億円主婦”は今どうしているのか?
海外メディアにまで、その波紋は広がった。この事件を含め、円を売って高金利通貨を買うトレードを行っている日本の個人投資家の話が海外メディアでも報じられたのだ。
そこで使われたのは「ミセス・ワタナベ」とか「キモノ・トレーダー」といった言葉。それは、”世田谷4億円主婦”個人を指す場合もあれば、日本の主婦投資家、あるいは日本の個人投資家全般を指して使われることもあったようだ。
ちなみに”世田谷4億円主婦”の名前は「ワタナベ」ではない。英国などでは、この事件が報道される前から、日本の典型的な主婦を指す言葉として、「ミセス・ワタナベ」という言葉が使われていたらしいのだ。
このように、昨年大きな話題となった”世田谷4億円主婦”。
あの人は、今どうしているのだろうか?
去る8月30日、都内で行われたトレイダーズ証券主催のFXセミナーに、その”世田谷4億円主婦”が登場した。先にも述べたようにその名は「ワタナベ」ではなく、池辺雪子という。
池辺さんのセミナーの様子

このコーナーでは、これから数回に渡り、このFXセミナーの内容、およびその後の追加取材をもとにして、池辺さんがトレーダーとしてどんな道を歩んできたのか、どんなトレード手法をとってきたのか、さらに、池辺さんのドル/円相場の見通しなどについて、お伝えしていきたい。

■FXで上げた利益はトータル8億3000万円!
FXなどで約4億円の利益を上げたと伝えられていた池辺さんだが、これは実は2003~2005年の3年間の分だけ。池辺さんがFXをはじめたのは2000年の9月頃。それから昨年まで、約7年間で上げた利益をトータルすると…
8億3000万円!
にもなるのである!!
では、それに伴って払った税金は? 延滞税やら重加算税やら、通常払う税金にプラスされた部分があり、それらをすべてひっくるめると、5億1500万円! ぐらい支払ったそうだ。大変な税額だが、それでも差し引き、約3億円あまりの利益が残った計算になる。
さて、そんな池辺さんの投資歴は株式投資から始まった。
■株式投資から商品先物、そしてFXへ
「株はもう20年ぐらいやってるんですけれど、お友達などから薦められる銘柄をただ買うだけだったんですよ」
その後、頼りにしていた友人が株をやめてしまったため、株の投資顧問へ行ったら、「これからは商品の時代です」と言われ、商品先物を薦められたそうだ。そして、それからは商品先物のトレードを行っていた。
はじめは営業マンの言うがままに売買してみたが、プラス2~300万円になったかと思えば、マイナス2~300百万になるといったことを何度も繰り返すこととなった。
そんな状況だったため、「人の言うがままではダメだと思い、5人の先生について相場の勉強を始めました。ありとあらゆる本を読み、チャートも手書きでつけるようになったんです。そうやって次第に相場の神秘性にひかれるようになっていきました」
そのうち、取引していた商品先物会社が新たにFXサービスを開始。その会社の営業マンからしつこく、しつこく「FXをやりませんか」と電話勧誘を受けた(現在ではこのような行為は法律で禁止されている)。
ついに根負けした池辺さん。その会社にFXの口座を開き、FXのトレードを始めたのである。
■豪ドルは60円台、NZドルは55円台で買い!
日本でFXがはじまったのは1998年のこと。池辺さんがFXのトレードをスタートさせた2000年はまだまだ黎明期といった感じで、「各社とも通貨ペアはドル/円、ユーロ/円、ユーロ/ドルぐらいしか扱っていませんでしたね」。
池辺さんは最初は一番身近なドル/円から取引を開始。次にユーロ/円、ユーロ/ドルと取引を拡げていった。
「その頃、ユーロ/円はどんどん下がっていって、ついに89円をつけたんですね。そこから協調介入があって、上がっていきました。当時は『介入』ってよくわかりませんでしたけどね。でも、90~100円ぐらいで、ユーロ/円はバッチリ仕込みましたよ。
ユーロ/ドルはねぇ。最初はユーロ/ドルって何なの? という感じでした。ユーロ/ドルはドルでスワップがもらえるんだ、決済したら為替差益もドルなんだとわかりまして…(注:FX会社によって異なる)。ならば、私は旅行が好きなので、ドルへ両替する手間が省けて便利だなと思って、ユーロ/ドルをやり始めました。これは1ドルを割ったところで、仕込みましたね」
億単位のお金を稼ぐ凄腕投資家も最初は素人。介入とは何なのか? ユーロ/ドルとは何なのか?…といったことを疑問に思ってしまうぐらいのところから始めているのだ。と言いつつ、今のレートから見ると、実に安く、いいところで買っているのはさすがである。
直近急落してきたとはいえ、今のユーロ/円は151円台。ユーロ/ドルは1.43ドル台だ。それを100円割れ、1ドル割れのところで池辺さんは仕込んでいたのである。
「その後、豪ドルやニュージーランドドルを扱うFX会社が出てきましたので、豪ドルは60円台、ニュージーランドドルは55円台ぐらいで仕込みました。豪ドルの60円台は今でもまだ持っているものもあります。オセアニア通貨は高金利なのがいいですね。『オージー様様、ニュージーランド様様』と私は時々言ってるんです」
さて、そんな池辺さんの投資歴は株式投資から始まった。
■株式投資から商品先物、そしてFXへ
「株はもう20年ぐらいやってるんですけれど、お友達などから薦められる銘柄をただ買うだけだったんですよ」
その後、頼りにしていた友人が株をやめてしまったため、株の投資顧問へ行ったら、「これからは商品の時代です」と言われ、商品先物を薦められたそうだ。そして、それからは商品先物のトレードを行っていた。
はじめは営業マンの言うがままに売買してみたが、プラス2~300万円になったかと思えば、マイナス2~300百万になるといったことを何度も繰り返すこととなった。
そんな状況だったため、「人の言うがままではダメだと思い、5人の先生について相場の勉強を始めました。ありとあらゆる本を読み、チャートも手書きでつけるようになったんです。そうやって次第に相場の神秘性にひかれるようになっていきました」
そのうち、取引していた商品先物会社が新たにFXサービスを開始。その会社の営業マンからしつこく、しつこく「FXをやりませんか」と電話勧誘を受けた(現在ではこのような行為は法律で禁止されている)。
ついに根負けした池辺さん。その会社にFXの口座を開き、FXのトレードを始めたのである。
■豪ドルは60円台、NZドルは55円台で買い!
日本でFXがはじまったのは1998年のこと。池辺さんがFXのトレードをスタートさせた2000年はまだまだ黎明期といった感じで、「各社とも通貨ペアはドル/円、ユーロ/円、ユーロ/ドルぐらいしか扱っていませんでしたね」。
池辺さんは最初は一番身近なドル/円から取引を開始。次にユーロ/円、ユーロ/ドルと取引を拡げていった。
「その頃、ユーロ/円はどんどん下がっていって、ついに89円をつけたんですね。そこから協調介入があって、上がっていきました。当時は『介入』ってよくわかりませんでしたけどね。でも、90~100円ぐらいで、ユーロ/円はバッチリ仕込みましたよ。
ユーロ/ドルはねぇ。最初はユーロ/ドルって何なの? という感じでした。ユーロ/ドルはドルでスワップがもらえるんだ、決済したら為替差益もドルなんだとわかりまして…(注:FX会社によって異なる)。ならば、私は旅行が好きなので、ドルへ両替する手間が省けて便利だなと思って、ユーロ/ドルをやり始めました。これは1ドルを割ったところで、仕込みましたね」
億単位のお金を稼ぐ凄腕投資家も最初は素人。介入とは何なのか? ユーロ/ドルとは何なのか?…といったことを疑問に思ってしまうぐらいのところから始めているのだ。と言いつつ、今のレートから見ると、実に安く、いいところで買っているのはさすがである。
直近急落してきたとはいえ、今のユーロ/円は151円台。ユーロ/ドルは1.43ドル台だ。それを100円割れ、1ドル割れのところで池辺さんは仕込んでいたのである。
「その後、豪ドルやニュージーランドドルを扱うFX会社が出てきましたので、豪ドルは60円台、ニュージーランドドルは55円台ぐらいで仕込みました。豪ドルの60円台は今でもまだ持っているものもあります。オセアニア通貨は高金利なのがいいですね。『オージー様様、ニュージーランド様様』と私は時々言ってるんです」
豪ドル/円 月足

ニュージーランドドル/円 月足

今現在、豪ドル/円は86円台、ニュージーランドドル/円は70円台だから、これもずいぶん、いいところで買っている。
(「FXで8億円稼いだ主婦…池辺雪子さんのトレード手法(2) ~9.11の時もあわてず、買い向かった~」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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最低取引単位 | スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
1通貨 | 0.18銭 | 0.48銭 | 0.38pips | 34ペア |
※2023年1月2日(月)7時00分~2023年2月1日(水)6時30分における、スプレッド提示率がもっとも高かった水準 | ||||
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最低取引単位 | スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
1通貨 | 0.2銭原則固定 | 0.5銭原則固定 | 0.4pips原則固定 | 20ペア |
※米ドル/円は1000通貨、ユーロ/円は1万通貨までの取引量で、かつ成行(ストリーミング)注文時に適用されるスプレッド。それ以外の通貨ペアも、取引量や注文方法によってスプレッドの水準が異なる場合があります | ||||
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最低取引単位 | スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
100通貨 | 0.0銭原則固定 | 0.0銭原則固定 | 0.1pips原則固定 | 21ペア |
※1万通貨までの注文量に適用されるスプレッド。ユーロ/米ドルは、2023年3月31日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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米ドル/円 | ||||
スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.18銭 | 0.48銭 | 0.38pips | 34ペア | 1通貨 |
※2023年1月2日(月)7時00分~2023年2月1日(水)6時30分における、スプレッド提示率がもっとも高かった水準 | ||||
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スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.2銭原則固定 | 0.5銭原則固定 | 0.4pips原則固定 | 20ペア | 1000通貨 |
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スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.1銭原則固定 | 0.3銭原則固定 | 0.2pips原則固定 | 29ペア | 1000通貨 |
※ユーロ/円は、2023年3月31日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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ユーロ/米ドル | ||||
スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.2銭原則固定 | 0.4銭原則固定 | 0.3pips原則固定 | 51ペア | 1000通貨 |
※米ドル/円、ユーロ/円は、日本時間10時~翌28時までの時間帯に適用されるスプレッド | ||||
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スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.2銭原則固定 | 0.4銭原則固定 | 0.3pips原則固定 | 38ペア | 1000通貨 |
※米ドル/円、ユーロ/円は、日本時間10時~翌28時までの時間帯に適用されるスプレッド | ||||
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スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.2銭原則固定 | 0.4銭原則固定 | 0.3pips原則固定 | 30ペア | 1000通貨 |
※日本時間9時~翌27時までの時間帯に適用されるスプレッド。スプレッドはすべて例外あり。ユーロ/円、ユーロ/米ドルは、2023年3月4日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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