先週はリスクの巻き返しが大きかった。米国株が大幅に上昇。それにともなって欧州株や日本株も大きく伸びた、ロシア国債の利払いが予定通りにドル建てで行われたり、原油相場が前週よりも低いレベルで推移していたからだ。FOMCでは利上げが行われたが、既に織り込み済みとあって、ドルの全面高とはならなかった。リスクテークの影響でクロス円のみが上昇し、円の独歩安が進行した。
とくに日銀の会合の後で黒田総裁が述べた「2%に達しても緩和を続ける」とした主張が、かえって驚きと取られたのしもしれない。世界的なタイトニングの流れに抗するものだからだ。この上に及んでまだ何もしないのかといった驚きである。原油高に始まる物価高にも目をつぶるというのは、金融当局者の口にする意見とは思えなかったからだ。それで円売りの安心感に結びついたということだろう。
今週は相場の流れが継続するのかどうかが焦点だ、ドルの金利高や欧州通貨安も一服している現在は、あまりマーケットに材料を求めるのは難しい。当面の注目点は原油価格が90ドル台の方向に行くのか、それとも110ドル台のほうに行くのかだろう。
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