昨日のマーケットで衝撃的だったのは、スイス中銀が利上げをしたことだ。しかも50ベ一気に。それでもスイスの場合はまだマイナス金利の領域なのだが、驚いたのは、スイス中銀は日銀よりも金融政策を変更しないだろうと思われていたことだ。
量的緩和をひたすら続け、外国からの不平にもかかわらずユーロ・スイスで為替介入を続けている。ある意味では日銀よりも金融緩和に拘っているスタンスである。その後に出てきたイギリスの25ベーシス利上げがかすんでしまうようだった。
あまりにもサプライズ過ぎて欧州株は急落した。時間がちょうど日経先物のナイトセッションの序盤だったが、日経先物は当日の高値が1000円以上も下げを余儀なくされた。それに伴って米国株も大幅下落。すでにニューヨーク市場がオープンする前にグローベックスで下げ止まってしまった。
これでマーケットは日銀の政策変更も近いのではないかとの思惑が強まった。かたくななSNBですら変更したのである。円金利の上昇は避けられず、ドル円は134.60あたりから132円台の前半まで急落した。
私もこのステージで何回かドル円のショートで参戦したが、動いた値幅の割には無駄な事をしており、その無駄な動きがあんまり儲けにつながらないという事態となった。相場が薄くなって、売りたい値段で売れないなどの状況になっていたのも一つの理由である。瞬間的な流動性の欠如であった。
そして結局ニューヨーク時間でドル円は131.50まで突っ込んだ。それだけ黒田総裁の豹変に恐れをなしていると言うことだろう。半年前にもパウエル議長が容易にスタンスを変えたのを見ているので、日銀のスタンスが変わることもありうると考えなければいけないのだ。
今日はその日銀会合なのだが、変更がないのはわかっている。注目は夕方からの黒田総裁の会見である。そこからどのくらい金融引き締めの話しを引き出すことができるのか。場合によってはドル円はユーロ円でのもう一段の調整売りが出てくるだろう。
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