今日からドイツ向けのガス・パイプラインへの供給が止まる。3日間だけの予定であるが、それもどうなるかは不明瞭だ。こうなってようやくECBのメンバーの一部からももっと活発な利上げが必要との声が聞かれはじめた。
しかしいや嫌ながらやっているというのが見え見えなので、ドルに比べると利上げへの期待度は小さいものがある。多国間での協議を必要とするため、アメリカほど確固たる姿勢が示せないのだ。
そのアメリカは明日から量的引き締めを倍増する。月額950億ドル分を減らす予定なのだ。まだ減らす余地があると言うことは、依然として緩和的といわざるをえない。緩和部分をなくしてしまって、その上で資金吸収するくらいに量的引き締めを行わないと、インフレ対策にはならないだろう。
利上げもこのままでは足りないとはっきり言えばいいのに、それを言わないものだから、待っていればそのうちまた金融緩和をしてくれるんじゃないかとマーケットは勘違いしている。それもあってドル相場は素直に上がっていかないのだが、昨日のニューヨーク時間では再び139円台を見ることになった。
台湾が初めての威嚇射撃をしたというので瞬間的には地政学的リスクの高まりでリスク回避の動きともなったのだが、ドル円相場は大崩れすることはなく139円台を見るに至ったのだ。やはりドルの腰は強いと言わねばなるまい。
週末には雇用統計があるので、今夜は様子見姿勢が強まるかもしれない。しかしその雇用統計ですらも、次回のFOMCにおける政策変更には影響を与えることが少ないと見込まれるため、市場の関心はいつもよりも薄い。
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