週末のマーケットは、木曜日のCPIでの反応の反省から来る反動のようなものであった。そもそもCPIが懸念されるくらいに高いままなのに、市場の方が勝手に利上げのピークアウト論を言い出したのだ。これはいつも見られる傾向なのだが、CPIという重要指標がで終わったことで悪材料の出尽くし感もあったのだろう。それでショートカバーしたのだが、それが過度に行きすぎた反省が出たのである。
米ドルの金利は上昇し、10年ものの利回りは再び4%の大台を超えてきた。ドル買いも加速し、ドル円はついに148円台の後半まで踏み上がってしまった。G20などの金融会合も開かれているが、そちらの方面から目立った口先介入も出てこないというのも一つの理由だろう。また黒田総裁が賃金インフレに結びついていないなどと、世界の潮流に反することに固持していそうな気配もあったからだ。
黒田総裁がそうしたスタンスをキープしているせいもあって、ドル円が147円台でも148円台でも、買っていくのにあまり恐怖は感じられなくなってきているのも事実だ。これは特殊なケースとも言えよう。実際に介入など入ったら、それはそれで敬意を表して撤退はするが、根本が直っていないのだから、またどこかでロングメークに励みたくなる。もはや財務省が急速な動きを牽制しても、それは口先介入の効き目もなくなりつつある。
実際に黒田総裁が民間の経済フォーラムで、金融緩和の継続の重要性を繰り返した。それで週末のドル円はややビッド気味。今週も高値をうかがう展開が続きそうだ。その中での当局などに対する思惑や観測も出てくるだろうが、押し目は積極的に拾っていきたいと思う。
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