雇用統計の結果がマチマチだったので、近い将来の利上げペースの見方が分かれてきている。雇用の逼迫感はおさまっていないし、生活物資は当水準で張り付いているので生活苦が中間選挙のメインテーマにもなっている。したがって利上げのペースダウンなんてとんでもないという見方もある。
パウエル議長も金利水準のピークアウトレベルはもっと高いところにあるだろうと言ってもいる。そして現実にドル金利の先物取引は修正する局面もありながらも、結果的には年初来の高水準を維持している。しかし一方で利上げのペースダウンを主張する側にも一理があるようだ。
米企業決算が一巡して、次期の業績予想を下方修正する会社が多いということだ。足元の景気はまだ良くても、将来の景気腰折れが見込まれるというのだ。実際にアマゾンやメタなどでも人員削減の計画が現われてきている。しかし予防的な金融緩和に踏み切ることができるくらいに、目の前で起こっている物価高はそれを許すのかどうかである。
ドル相場もそうした迷いの動きとなった。アジア時間から欧州序盤までは、ドルの見直し買いが入った。ドル円は147.50を超えてきて、やはりドル高かと思わせた。私も昼間からドルロングで攻めていたので、シメシメと思っていた。
しかし欧州時間に入ると急激にドル相が場軟調に転じた。ドル円は147円台を割りこんできて、朝のレベルにまで後退した。私も損切りが遅れたが、それでもポジションカットは147円台のうちに果たしたのである。
その後冬時間に移行したニューヨーク時間の序盤では、ドル円は146円台の前半まで沈んだ。しかしここ最近のコアレンジである144円台から149円台というのはブレークしていない。ここに至っても、まだドルは押し目買いスタンスをキープすべきだと考えている。
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