昨日はドル円の買い戻しの番だった。このままドル円を売っていいのかどうかわからないところに、週明けのマーケットでは大いに値を上げて始まったからだ。朝がたは140円台こそ乗せきれなかったものの、先週末のレベルからは1円以上も円安水準で始まった。こうなってくると、もう売れない。次は買い場探しを模索することとなった。
その後、ドル円は139円台の前半まで下がったが、大台をクリアに割り込むことはなかった。欧州時間では140円台に乗せてきて、すこし不安定な動きながらもしっかり。もはや139円台は買いたい人が並んでいるレベルとなってしまっている。
一方でユーロドルはそれほどもドル買いになっていない。むしろユーロ円の買いに引きづられて堅調だった。ユーロドルが下がらないと、なかなかドル円の高いところを買って行く自信を持てないところである。まだ本格的なドル上昇相場が来ていないように思えるからである。
欧州の株価ではドイツの一人勝ちである。景気の浮き沈みはあったにしても、リーマンショック前まではドイツDAXは8000、イギリスFTは7000、フランスCACTUSは6000を上限に推移していたものだが、ドイツ株だけが上抜けをした。
そして16000台まで駆け上がり、上限は2倍になっている。イギリスとフランスはその後に何度も挑戦をしてきたが、未だにクリアに越えられないでいる。そのドイツ株も世界的な利上げモードの波及によって12000台までは後退した。しかし最近の利上げペースの鈍化への期待の高まりで、もはや15000台を回復しそうな勢いである。
ドイツ国内でもエネルギー問題で紛糾しており、脱原発を止めようかという話しさえも聞こえてきて、物価高による景気後退の心配もなされているのに、株価は史上最高値をうかがっているのである。日本と同様に、国民生活の困窮さと企業利益のデカップリングが起こっているだけなのだろうか。
さて今晩は米PPIが出てくる。CPIに株式市場を中心にしてあまりにはしゃいだ金融マーケットとなったが、インフレという意味では本来はこちらのほうが川上にある数字なので重要である。FRB要人発言も多くあり、小売大手やハイテク大手の決算も出てくる。為替相場も含めてマーケットがさらなる反省モードとなるのか、注目したい。
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