昨日の日銀のアクションは、どう捉えていいのか、判断の分かれるところだ。しかし黒田総裁が以前からYCCを変更しないのは、それが事実上の利上げになると主張していたことからも、海外勢をはじめマーケット参加者は利上げへの第一歩と考えられた。当然、今後も第2弾、第3弾の事態もあるのだろうと想像される。もっと早めに市場をならしておけなかったものかとも思える。その不徹底さがマーケットにとってサプライズと写ったのだ。
ドル円は130円台まで見せられて、これはにわかに利下げ期待が高まった8月以来の安値圏である。円安に気を良くしていた輸出企業の株価が急落して、日経平均株価も1000円級の下げを演じた。最後まで利上げに抵抗をしていた日銀が利上げに踏み切ったとあって、世界中の長期金利も上昇に向かった。
しかし黒田総裁の会見での覇気は感じられなかった。いつものように無謬性に基づいた堂々とした役人としての見解を表明すればいいのに、なんだか気に染まないことをイヤイヤ言わされているような感じだった。これは利上げではなくて、市場の機能改善のためだと苦しいことを言っている。しかし昨日改善のために必要ならば、もっと早期にYCCのバンドを拡大しても良さそうなものだ。
機能改善のための長期金利の自由化への要望は久しいものであった。日本の場合、長期債市場では現物では新発の10年債のみが、先物では10年もの先物だけが取引されている。これは欧州債や米国債の事情と違っているところで、他の年限での取引量は実に乏しい。しかるに長期金利のデリバティブに関するヘッジに使われるのは、数量を調整などして円債先物しかないというのが実情である。
なかでもヘッジのニーズでいちばん必要とされるのは、円スワップである。日本円の国際化とともに、円スワップの需要は大きくなってドルに次ぐ地位を占めてきたが、この市場原理を無視したYCCのおかげでヘッジツールがなくしてしまい、エンドユーザーに価格を適正に呈示できなくなってしまった。
ただでさえ日本の国際的な地位が低下しているのに、これが拍車をかけている格好だ。どうやら法人税の引き上げもやむなしということになって、業界からもYCCも何とかしてくれよという要請が相次いだものとも思われる。政治的な判断が優先されたのであれば、黒田総裁の意見も理論もどうでもよいということになったのだろう。
日本時間 15時30分
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※スプレッドはすべて例外あり。この表は2023年12月1日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報は各社の公式サイトなどで確認してください |
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