ロシアがウクライナに侵攻してから1年である。それを前にアメリカや中国、ロシアの外交が忙しくなったここ1週間だが、ロシアは「ロシアは負けることはない」といい、アメリカもまた「ロシアは必ず敗れる」と発言している。その字のごとく矛盾している。要するにこの1年は決定的なことができないまま犠牲者の数を増やしていってしまったということであろう。未だに紛争解決の道筋すら見えてこない。
一方で日本はのんきな者で、次の日銀のスタンスがどうなるのかに注目が集まっている。午前は植田氏の発言、午後は副総裁候補の発言を待っている。抑もそもそも論からして日銀だってお役所みたいなものだから、担当者が変わったくらいではポリシーはドラスティックに変わるはずもない。黒田総裁があまりにも意固地に政策の微修正も認めなかったから、次への期待だけが膨らんでいるのである。
その新総裁の所信聴取だったが、やはり従来のポリシーを引き継ぐというもの一色であった。金融緩和を続けていくというのは仕方がないことだとしても、YCCなどをどう変えるのかに関心が集まっていたが、「買いためたETFのほうが問題である」といってうまく言いかわされてしまった。
国会での質疑が始まった時は円高方向で動いたのだが、時間の経過とともにハト派色が強まってきた感じとなり、ドル円は朝型のレベルも越えてくるほどの円安水準となった。円債は値動きを示さず、日本株はややラリーしている。
今晩はアメリカのPCEコアデフレータに関心が集まっている。FRBがインフレ指標として気にしていると言われているだけでなく、昨日のGDP改定値でも価格の部分が上昇修正となっていたからだ。ハト派色の強まった感じになった植田氏の所信聴取の後だけに、いよいよ135円台乗せを固めて上値トライとなっていくかもしれない。
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