欧州序盤ではリスクテークのかたちと。アメリカの東西で破綻した金融機関のトピックもだいぶ落ちついてきたようだからだ。ドル円も135円台まで乗せてきていて、今夜はドルロングで参戦しようかなと考えていた。
しかしおさまりつつあった金融業界にショックが走った。発端はアラブ系のファンド筋がクレディスイスに追加の資金供給をしないと公表したことだ。そもそも財務に問題を抱えていたCSだ。さらに経営不安を煽ることとなって、欧州株は大幅に下落した。リスクオフといった生ぬるいものではなく、パニック的な売りも出てきた。それにつられて米国株も急落。
ドル円の低下はやむを得ないところだが、話しが欧州発なのでユーロ円の下げが一方的でどろっと動いた。ドル円も3円近くも下落してしまった。私はちょうど友人と飲食をしていたので、手を出せなかったのが悔やまれた。ドル金利も大きく低下しており、形式としてはわかりやすいドル円の下げであったろう。
それらに対してスイス中銀が支援策を講じるとしたことで、いちおうの安心感を回復した。米国株も底打ちし、激しくショートカバーが見られた。ドル金利、とくに短期金利は100ベーシスポイント近くの急低下をした。ここ連日での金利の上げ下げが激しくなっている。
またIEAの観測報告で、ロシアが石油生産を拡大させているという。それで短期的な需給が緩んで、原油価格は70ドル台を割り込んできた。米国が戦略備蓄を買い戻すとしていた70ドルをようやく突破してきた。
マーケットが混乱気味だったので、アメリカの経済指標は軽視された。これで次回のFOMCでの利上げも飛んでしまったようなものだからである。今晩は50ベーシスの利上げと見られていたECBの金利会合だったが、不透明感も漂ってきてまたひと波乱となるか注目である。
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