金曜日のドル円は82円台の半ばでの攻防が続いた。アメリカのGDP発表に向けて相変わらず期待が高まるという半面、その3日前に発表になったイギリスのGDPがマイナス転していたことで、市場にはちょっと冷めた雰囲気もあった。
ユーロ円がとても高いので、ショートには振りにくい。というわけで日本国債が格下げされた後のドル円ショートに、少しだけドル円ショートを上乗せして、GDPの発表に臨む作戦にした。
ところが、どうも経済指標よりもエジプトの騒動のほうに関心が集まってきた。エジプトはアメリカが大いに肩入れしており、イスラエルとの関係からも成り行きは重要だ。チュニジアの革命の時とは、事の重要度が違う。反米政権が出来ようものならば、中東情勢はガラッと変更を余儀なくされる。中東のゴタゴタで欧州時間から原油価格は上昇気味であった。
結局のところ、アメリカのGDPは予想よりもやや低めでプラスの3.3%だった。消費部分の改善が見られたが、デフレータは低いまま。需要の先食いの反動が出てきたといえるのかも。ドル円は82円台の前半まで攻めるのだが、なかなか走らなかった。
夜の0時を回った頃にはエジプトで夜間の外出禁止令が出たということでマーケットは急速にリスク回避へと向かった。あれだけ下がらなかった米国株も大きく崩れ出した。リスク回避でユーロ円は大幅安となったのに、ドル円の下げは限定的。欲張ってユーロ円の112円割れでもショートにしてみたが、111円台のミドルまでだった。
そもそも今回のエジプトのデモは、宗教問題というよりもインフレによる生活苦による側面が大きいように思う。アメリカが金融緩和を行ってきたが、中東の鎮静化のためにもインフレ抑制のけん引役を買って出るのかが注目されるところだ。週末にクリントン国務大臣がたくさんテレビに出て、アメリカの姿勢を強調していたが、いまのところ打つ手なしという感じだ。
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