グローバルマクロ戦略を取るヘッジファンドも、こうした世界情勢を意識せざるを得ない状況です。
ブルームバーグによると、新興市場のETFは2月2日(水)までの1週間に、週間ベースで過去最大の資金流出となったそうです。
エジプトの混乱により、ヘッジファンドが新興国向け投資を大幅に縮小したことがその要因と言われています。
また、ユーラシアグループが挙げたトップ10の2番目に「欧州」が挙げられているのも気になるところです。
前述のように、先週のトリシェECB総裁の会見をきっかけにしてユーロ/米ドルは反落していますが、今のところ、下落のスピードは緩慢です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
しかし、新興市場の混乱は「Risk offトレード」となり、米ドル買いにつながりやすいため、中期的なユーロの下落余地はさらに拡大していると言えるのではないでしょうか?
■米ドル/円の上値を限定的にしている季節的要因
米ドル/円を見ると、2月に入っても引き続き、81~83円のレンジで推移しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
日米の長期金利(10年もの国債の金利)の差が大幅に拡大しているにもかかわらず、市場は「円キャリートレード」に移行する気配がありません。
2月になって季節的要因として、本邦企業の円転需要が高まっていることが米ドル/円の上値を限定的にしているようです。
オプション市場では、82円台にストライクが集中しており、上下どちらも大きく動きにくくなっており、「ドル金利上昇」や「中国の利上げ」といった報道で、米ドル/円が動意づいた時点でのカウンタートレードが有効な展開が続いています。
当面は、81.50~83.50円のレンジ相場が続きそうです。
ただし、レンジブレイクするとしたら、本邦企業の円転需要から考えて、下値の81.50円がブレイクされる可能性のほうが濃厚でしょうか?
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