昨日の金融マーケットでは、リスク回避の材料に事欠かなかった。そもそも昼間からドル円やユーロ円の上サイドへの伸びは鈍くなっており、オーダー状況を聞いてもオファーがいっぱいという感じ。市場の調整は仕方がなかったのかもしれない。
夕方の5時過ぎには関東地方でも大きな揺れが来た。これによってリスク回避の動きは始まって、ドル円も84円台のミドルまで下がった。欧州株やグローベックスでの米国株も値を下げている。私はユーロドルのショートポジションを持っていたのだが、ちょっとユーロ円に乗り換えるべきかを悩んだ。
悩んだ場合は、後悔しないほうを選ぶしかないのだが、いつものように時間が経つと何もなかったかのごとくリスクテークに走る日々が続いていたので、ユーロ円のショートではリスクの取り過ぎではないかと思い直して、ユーロドルのままで我慢することにした。
欧州市場ではユーロドルはたしかに重い足取りではあったが、ぜんぜん1.44台を割り込むような勢いもない。おまけに米国市場では経済イベントがほとんどないのだ。
しかしIMFのアウトルックが公表されて、想像の通りだったが、日本だけに限らず、アメリカの成長率も下方修正された。米国株は安値攻めに入ったが、為替相場ではクロス円が若干ゆるんだ程度。ユーロドルも1.4420あたりまでが下げの限界だった。
ただこれまで値を飛ばしてきた原油が大幅に下落している。アジア時間に113ドルを取引していたことを考えれば、109ドル台までの下げはリスク許容度の低下だけにとどまらず、短期筋の投げ売りも含んでのことだろう。
私は早起きしてニューヨーククローズを見守っていたが、原油は108ドル台での安値引け。前日からは5ドル弱の下げだ。ニューヨーク市場が終わってから、NHKでは原発の危険度をレベル7に格上げするという報道が出た。
これでリスク回避の動きが決定的となった。私は速攻でドル円を売ってみた。84.61だった。その日の最安値にきわめて近いところ。ユーロドルのショートも持っているので、実質的にはユーロ円のショートを持っているのと変わらないことになる。
さて本日のアジア市場ではレベル7に対する反応は鈍く始まった。日本株もほとんど落ちていない。目に見える形でのリスク回避は起こらなかった。9時前に84.35あたりまで突っ込んだドル円も、切り返しての東京オープンとなった。とりあえず急いで利食いをする理由もなかったので、私は84.80でストップ注文をおいておいた。
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