昨日はアメリカが独立記念日でお休みだったため、マーケットは材料薄。しかしアジア時間に格付け機関からギリシャのデフォルト問題に関してのコメントが出てきたことで、ちょっとユーロの保有に関して不安にさせる局面があった。そもそもフランスが提案した民間銀行への協力という名の負担スキームは、持っているギリシャ債を債権放棄しろと言っているに近いものがある。
自主的にとロールオーバーに応じろと言うが、債券投資の基本は安全・確実・有利であるのだから、そのネイチャーに完全にそぐわないものである。もしも元本が返ってこないならば、もはやフィックスド・インカム・アセットとは呼べないであろう。S&Pはそれを教科書的に評価しただけだ。
それでも背に腹は変えられないドイツとフランスは、民間銀行に対してそれを強制する姿勢を取り続けている。民間銀行だって、一般人から大事なお金を預かって、それを安全第一に資金運用しているはずだ。もうひと悶着あってもおかしくはない。
とくにアメリカは資本主義と自由主義に絶対の信頼を置いている。アメリカにも間接的な被害が及ぶであろうし、このような対処療法でアメリカとして納得するものかどうか。まあ、納得しないと感じているから、ギリシャ議会で支出の削減法案が通過したからといって、ユーロ買い一辺倒にならないのだろう。どうせ2カ月もたたずに第2弾の支援が必要になるのは必定であるし、その規模は今回の10倍くらいになってしまう可能性もある。
私もそう感じているので、S&Pはよくぞ言ってくれたという気もあるが、ともかくどうも1.45台アッパーでユーロドルを買う気にはなれない。そこで1.45台でユーロドルを売り込んでは、1.44台に下がるとせっせと買い戻したりしている。本来ならばもっと長く持っていたいのだが、先週の株高によるリスクテークにともなうユーロの買いで、400ポイント以上も踏みあげられた為替相場だ。
テクニカル面からの買いもしつこく出てくるのは容易に想像できる。そこで短期的なショート攻めしかできないところで、しばらくの間は仕方がないところだ。20ポイントでロスカットの40ポイント抜きで攻めていくしかないと腹をくくっている次第である。
今朝の東京市場ではユーロドルは高値攻めから始まった。昨日の高値には達しなかったが、きのうの欧州時間での押し目から考えると、S&Pの話はすべて飛んでしまったかと思えるくらいの切り返しだ。私はトレンドフォローはしたくはないので、同じく少し売り込んでみた。金曜日の高値のちょっと外側に買い戻しのストップ注文を置いておけばよいので、ロスカットの場所はとても明確だ。
欧州時間に向けてはユーロドルが下がってきた。おまけに昨日の安値ですらも抜けてきた。まあ、下げても限界があるあろうと思って、私は当初の予定通りにいったんは利食いで買い戻したりして、相変わらずのチビチビ作戦を続け、このレベルの高い場所でのショートではあまり欲張らないようにしている。
今晩は大きな経済指標はないが、アメリカの連休明けなので、S&Pの評価をどのようにマーケットが織り込むのか、日付けが変わる頃まではじっくりと値動きを観察したい。これでユーロドルが1.44台ですら割り込んでくるようなことにでもなれば、そこからでも売っていってもいいのではないかと考えている。
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