昨日の欧州市場ではスイスの為替対策が出された。SNBが市中の流動性を2000億フランまで増やし、スイス政府のほうは政策的に20億フランを拠出するとしたもの。そもそもマーケットが恐れていたのは、ユーロスイスの下落に対して絶対防衛線を張るのではないかということだった。そのうえで無制限の為替介入もありうるのではないかと憶測していたのに、結果は実に即効性が少ないものになってしまった。
これではマーケットに緊急のメッセージ性も乏しいことから、それまでスイス売りに傾いていた流れも中断し、ある意味ではスイスフランの買い安心感が出てきたようなものである。スイスフランは急騰し、ドルスイスは200ポイント以上も下落。これだけドル円が動いていないのに、スイス円は2円ほども急上昇した。
スイスフランの上昇が、この日の欧州通貨高を決定したといってもよいだろう。ユーロドルは1.44台に乗せてきて、そのまま米国市場にいたるまで、ほとんど押し目らしい押し目も作らずに買い上げられた。1.44台の後半にはライトストップもあったようで、ユーロドルはいとも簡単に1.45台まで上がってきた。
ポンドも同様で、久しぶりに1.65台を見ている。この間、イギリスの失業率の悪化など、ポンドの売り材料もたくさんあったのだが、欧州通貨高というか、ドル売りの流れの方がきつくて、ファンダメンタルズはいっさい無視といった感じ。
私のユーロドルショートのポジションはすでに東京オープン直後にはなくなっていたので、ユーロドルショートの再エントリーを考えて、1.44台の後半で売りイントを持っていたので、この欧州通貨高がおさまるまで相場に手を出さずにいた。
果たしてここ最近のユーロドルのレンジの上限である1.45台もクリアしてくるのかどうか。それとも反落するのか。まあ、時間はかかるかもしらいが、ここのステージは大事なところなので、じっくりといきたいところだ。
そういうわけで昨日は早々に寝た。朝、画面を見ると、ドル円は相変わらずで小動き。しかしユーロドルは反落していた。ニューヨーク時間に米国株が高値をつっかけにいったのだが、プロッサー総裁やフィッシャー総裁が、国内景気に対してネガティブな見解を示したことにもよるとされている。
その株価下落の過程でリスク回避の観点からクロス円が売られ、それがユーロやポンドなどの高値圏からの調整を促したようだ。やはりユーロドルの1.45台は重たかったということになる。
今晩は23時に発表となるセンチメント指数と住宅関連のデータに注目か。そのどちらも最近は悪化傾向が顕著になってきている。予想よりも悪くても、あまり反応はなさそうだ。むしろ良かった場合はドル買いを誘うかもしれない。
昨日までちょっとドルが売られ過ぎた感もあるし、またテクニカル的にもドル安のレンジの端っこに迫っていることもあり、ドルロングで攻めてみたい気もする。やはり今日もユーロドルのショートでいこうかな。
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