■「円高対応緊急パッケージ」で米ドル/円はどうなる?
そして、円に関しても、日本政府から8月24日(水)に、「円高対応緊急パッケージ」が発表されました。
日本の財務省が8月24日(水)に発表した「円高対応緊急パッケージ」は、次のとおりです。
(1) 円高対応緊急ファシリティ(1,000億ドル)の創設
(2) 外国為替および外国貿易法第55条の8に基づく外国為替の持高報告(ディーラーのポジションの報告)
(2)に関しては一種の「けん制」の意味合いがあり、(1)に関しては円高を止める対策というよりも、円高時における企業の救済措置という意味合いが強いですね。
この発表の後、マーケットは一時円高に振れました。
しかし、米ドル/円は76円台ミドルでは底堅く、8月24日(水)のNY市場では反発に転じて、77円台を回復する場面も見られました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
先にご紹介したSNBの自国通貨高抑制策が発表された際も、即座にスイスフラン高が収まったわけではなく、乱高下しながらスイスフラン高が修正されています。
今回の「円高対応緊急パッケージ」の効果も徐々に効いてきて、米ドル/円はいったん調整局面に入るのではないでしょうか?
■米ドル/円は2~3円ほど反発する可能性が高い
一貫して米ドル安の戦略をとってきた友人のヘッジファンドも、短期的には戦略を変更したようです。
介入期待もあり、1~2週間で77円、78円、79円台といったストライクでのオプションを物色しているもようです。
米ドル/円は、本邦輸出勢からかなりの米ドル売りの注文が78円~80円台に並び始めているため、大きな調整は期待できないかもしれません。
ただ、スイスフランの調整幅から考えると、米ドル/円も2~3円ほど反発する可能性は高いのではないでしょうか?
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
今週最大のイベントは、8月26日(金)にジャクソンホールで行われるFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長の講演です。
今後の米ドルの方向性を探るため、バーナンキ議長のコメントに注目です。
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