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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は当面145~151円で方向感のないレンジか。最
強通貨スイスフランに暗雲。39%関税に加え、医薬品への
衝撃的な関税の可能性、SNBによる利下げの公算が高まる

2025年08月07日(木)16:00公開 (2025年08月07日(木)16:00更新)
西原宏一

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米ドル/円は145~151円で当面レンジか。トランプ政権による新たな税率が発効。日米間で合意の食い違いも

 みなさん、こんにちは。

 トランプ米政権による相互関税の新たな税率が、日本時間8月7日(月)午後1時1分に発効しました。

 日本に関しては、トランプ政権と石破政権の間で軽減措置に関する認識に食い違いがあると指摘されており、今後の展開は不透明です。

 通常、こうした合意は文書に明記されるものですが、日米間の合意にはまだ不明瞭な点が多いため、本稿執筆時点(8月7日午後1時頃)では、円相場の動向を判断するのが難しい状況。

 そこで、一時的に「相互関税」を相場材料から外し、先週(7月28日~)の市場を振り返ってみます。

 先週、日銀総裁のハト派的な発言が米ドル/円を151.00円手前まで押し上げました。

 しかし、8月1日(金)に発表された米雇用統計が急速に悪化したことを受け、米ドル/円は一転して146円台まで急落するという、いわゆる「行って来い」相場となりました。

 こうした状況から、当面米ドル/円は145~151円の方向感のないレンジで推移する可能性が高いでしょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今回の関税発動で注目すべきは、インドとスイスへの影響です。

 トランプ大統領は、ロシア産エネルギーの購入を理由に、インドからの輸入品に対して25%の追加関税を課す大統領令に署名しました。これは、すでに発動されている対インド関税に上乗せされるため、最終的に50%という驚くべき税率となります。

 数カ月にわたる通商交渉が決裂した結果、トランプ大統領は「戦争マシーンに燃料を供給している。インドがそうし続けるのなら、自分は不満だ」と述べ、インドは厳しい立場に追い込まれています。

 そしてもう1つの主要国、スイスにも39%という衝撃的な関税が課されました。

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スイスの建国記念日を襲った39%関税の衝撃、最強通貨スイスフランに暗雲

 先週金曜日(8月1日)はスイスの建国記念日でした。

 スイスはすでに工業製品の関税を廃止し、米国に数十億ドルの投資を約束していたため、米国との関税交渉は友好的なものになると期待されていました。

 しかし、建国記念日の祝賀ムードの最中、突如として39%という高率の関税が発表され、スイス国内では責任のなすり合いが激化しています。

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 特に、カリン・ケラー・ズッター大統領は、トランプ政権と締結できたと信じていた貿易協定に重大な誤算があったと非難されています。

 SonntagsZeitung(スイスで発行されている週刊新聞)は交渉の失敗を「彼女の最大の失態」と表現、 Blick (タブロイド紙)は、1515年にフランスとの戦いに敗れた以来、スイスにとって最大の敗北だとまで批判しています。

 さらに深刻なのは、医薬品への関税です。

 トランプ大統領は「医薬品には当初、小幅な関税をかけるが、1年から1年半の間に150%に引き上げ、最終的には250%にする」と発言しました。米国への重要な輸出品である医薬品にこのような関税が課されれば、スイス経済は大打撃を受けます。

 これらのショックを和らげるには、スイスフランの価値を下げることが不可欠です。

 市場では、9月のSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])による利下げはまだ織り込まれていませんが、今回の39%の関税引き上げにより、マイナス金利への利下げ観測が高まる可能性があります。

 長らく、米ドルが急騰しようが急落しようが、地政学的リスクにも強い「最強通貨」とされてきたスイスフラン。

 しかし、39%の関税に加え、医薬品への衝撃的な関税の可能性、そしてSNBによる利下げの公算が高まる中、その強さに陰りが見え始めています。

 トレードとしては、ユーロ/スイスフランの押し目買いがよさそうです。

ユーロ/スイスフラン 日足
ユーロ/スイスフラン 日足チャート

(出所:TradingView


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