ベッセント米財務長官の発言で9月FOMCでの大幅利下げ予測拡大
みなさん、こんにちは、
今週(8月4日~)のマーケットの注目は、米金利の大幅利下げ予測の拡大。
本稿執筆時点(8月14日9時30分頃)では、9月(17日)FOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25%の利下げの織り込み度は100%。さらには、一部で0.50%の大幅利下げ予測も出てきました。
その要因は米財務長官のスコット・ベッセントのコメント。
米財務長官のスコット・ベッセント氏は、連邦準備制度理事会(FRB)に対して、一連の利下げを実施するよう、これまででもっとも明確な要請を行ったのです。
「9月の0.5ポイント利下げを皮切りに、そこから一連の利下げを実施できるだろうと考えている」
出所:Bloomberg
金利先物市場では、来年(2026年)1月までにトータルで0.75%利下げされることをほぼフルに織り込んできています。
米金利の低下予測を背景としたリスクオン相場の中、日経平均は4万3000円台まで急騰しています。

(出所:TradingView)
マーケット関係者によれば、仮に日経平均が4万2000円を超えれば4万2000円のコール・ショート(コールオプションの売り)が踏まれるので急騰する可能性があると言っていましたが、8月12日(火)の東京市場は897円も急騰し、4万2718円でクローズしています。
そしてNY市場では、日経先物が4万3280円と4万3000円を超えてきました。
マーケットのウワサでは、4万2000円ほどの規模ではありませんが、4万3000円のコール・ショートもあったようで、8月13日(水)の東京市場での日経平均は史上最高値を更新し、一時4万3451円まで急騰しています。
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日経平均最高値更新でクロス円は比較的堅調だが、スイスフラン/円は上値が重い
日経平均の急騰する中、通常はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇するのですが、上げ渋っている通貨ペアがあります。
それは、スイスフラン/円です。
前回のコラムでご紹介させていただいたように、米国との関税交渉がうまくいかず突如39%という高率の関税が課せられ、最強通貨であるスイスフランに暗雲が立ち込めています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は当面145~151円で方向感のないレンジか。最強通貨スイスフランに暗雲。39%関税に加え、医薬品への衝撃的な関税の可能性、SNBによる利下げの公算が高まる(8月7日、西原宏一)
そのため、米財務長官のコメントにより、主要通貨で米ドル安が進む中、米ドル/スイスフランは下げ渋っています。
9月のSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])理事会でのマイナス金利予想は32%まで織り込み始めており、ユーロ/スイスフランが0.94フラン台を回復していることもあり、スイスフランの弱さが目立ちます。

(出所:TradingView)
スイスフラン/円は日経平均が4万3000円台に急騰しても、前回の高値まで届かず反落。

(出所:TradingView)
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米財務長官は日銀政策にも言及!米ドル/円も上値が重くなる
一方、米財務長官は日銀に関してもコメントしたことにより、米ドル/円の上値が重くなってきています。

(出所:TradingView)
米財務長官は日本銀行の植田和男総裁と話したことも明らかにした
「日本はインフレ問題を抱えており、私見だが、日銀は後手に回っており、利上げするだろう」
出所:Bloomberg
SNBのマイナス圏への利下げ予測が高まり、日銀の利上げ予測が高まれば当然スイスフラン/円の上値は重くなります。
日経平均も6営業日連続で続伸しているため、いったん上げ渋り、SNBと日銀の金融政策の方向性の相違もあり、スイスフラン/円の下落に警戒です。
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