週明けは大きくリスク回避で始まった。EUの財務相会合では何の具体策も出て来ず、期待外れに終わったからである。具体策などマーケットが心底期待していたとも思えないのだが、先週末は株高で終了していただけに、その反動は大きいものとなった。朝からグローベックスではマドをあけて大幅安で米国株はスタート。
そのまま欧州市場でもリスク回避の度合いはますます強まった。ユーロドルを1.38台や1.39台で売り込むのはちょっと憚(はばか)られてきたが、ここにきてようやく売り安心感も広がってきた。相場はすでに1.36台の中盤まできていたが、そもそも売りたいと思っていた私にとっては心地よいムードだ。欧州時間の序盤にほどよい戻り場があったので、私はやっと1.3688でショートにすることができた。
ターゲットは先週につけた1.3498のちょっと手前になるだろう。それも距離があるので、一日だけでは決着がつかないかもしれない。200ポイント近く狙っているのに、虫のよい考えかもしれないが、買い戻しのストップ注文は@1.3710で置いてある。これは欧州序盤での戻りがそのあたりであったためだ。
ニューヨーク時間にシフトするころになると、どうもクロス円が重くなってきた。リスク回避のモードで動いてきたので、当然のことながら、昼間からクロス円の下落は顕著だったのだが、米国株が一段安したこともあって、いっそうの円高が進むこととなった。ポンド円が120円を割り込んで来て、119円台へ。
なんだかじつに久しぶりの感じがする。他のクロス円はどうかと調べてみると、南アフリカランドは10円割れ、シンガポールドルも60円を割りそう。ドル円は76円台で引っかかっているので、それほども円高を感じないのだが、他の通貨はサイコロジカルなレベルをことごとく抜けてきたようでもある。
その間、肝心のユーロドルは50ポイントほどしか下がっていない。ユーロ円が103円台に突っ込んだ直後に、クロス円の猛烈な買い戻しが入った。ユーロ円の103円台がイヤなのかしら…。このままでは自分のユーロドルまでやられてしまう。そう思って私はターゲットを待たずに買い戻すことにした。50ポイント取れたが、やっと待ちに待って作ったポジションで、気合が入っていただけに、ちょっぴり残念。しかしこれで寝れる!
今日になると、朝からまた信用不安を増大させるニュースばかりとなった。まず日本時間の早朝にイタリアの格下げがあった。ムーディーズが格下げ方向で見ていたのはすでに周知の事実であったが、今回はS&Pによるものだったため、ちょっとタイミング的にはサプライズとなった。これで1.36台の後半まで戻っていたユーロドルも一気に沈下。
私も何度か売ってはみたが、思ったほどスルリと落ちていかない。取れても数ポイントといった具合だ。昨日の安値である1.3585あたりを目先のサポートとして強く意識されているようでもある。またギリシャが国民投票を行って、ユーロ圏から離脱するかどうかを問い直すという方針という話しも伝わった。
これらのネガティブな材料によって、グローベックスでの米国株は再び大きく下落を余儀なくされている。株価の回復が見られない限りは、今日こそはユーロ円のショートのほうが面白いのかもしれない。政府筋から円高を牽制(けんせい)する発言は出てきているが、一方で野田首相は「円高のメリットのも活用したい」などとも発言している。
今晩の注目の経済指標は、夕方のドイツ景況感と、夜のアメリカの住宅着工である。欧州時間に入ってからは、欧州株がおとなしいためユーロの買戻し優勢になっているが、これらの指標を契機に、相場の動きがまた加速してくるかもしれない。加速といっても、何かギリシャデフォルト回避に向けて画期的な話しもでも出てこない限り、リスク回避の方向へだろうが。
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