昨日のアジア時間でユーロドルは1.3955近くまで上昇した。これは今月に入って、米国株が今年の最安値を記録した4日以降からの、ユーロの下落局面では最大の戻しである。9月まではほぼ1.4000を底にしてレンジ相場が続いていたことを考えると、ちょうどネックラインとしての1.4000に近づいてきたというところだろうか。
欧州株も米国株もかなりの勢いで戻してきており、リスクテークも盛んになっている。それにともなうユーロの買い戻しが激しくなったとしても仕方のないところだ。しかしネックラインに近づいてきたということは、そろそろ戻り相場の上限に近づきつつあるということであり、そろそろダウンターンのきっかけを欲しているところだとも言えなくもない。
昨日の欧州市場に入る頃にはロンドン勢の売りも浴びて、ユーロドルは1.38台に逆戻り。依然として動きが鈍いドル円が75円台突入を目指しており、為替相場には久しぶりに緊張感が走る。株価はまだ高いままなので、ユーロ売りをしたくてもユーロ円で攻めるのはつらいところだ。売るとしたらユーロドルになるのだが、最近のユーロドルは26日の首脳会議もあって期待が高まっており、なかなかに腰が強い。
それでも下がってきたのだから売らない手はないと思い、少しだけ売り込んでみた。反転する分にはストップ注文でカバーするしかない。1.3877で売ったのだが、損切りは20ポイント。それ以上、持っても1.39台まで戻ってしまえば、同じことである。そのかわりリターンも大きくは期待していない。取ったリスクの20ポイントを少しでも上回ればよい。40ポイント取れればよいが、希望通りにはいかなくても、少なくとも25ポイントくらいは取りたいもの。
しばらくは1.3845から1.3865あたりの小さいレンジとなった。リスクをあまり取りたくないため、こんど1.3870とかが出会ったら、すぐに買い戻す予定だった。そうすると危ない局面もあったが、下方向に抜けて動き出した。結局は1.3825あたりまでしか下がらなかったのだが、あまり欲張っていなかったのが幸いした。1.3829で拾ってクローズすることが出来た。まあ、最初からあんまり大きく狙っていないポジショニングだったので、これはこれで何もしないよりはよかったと思って慰めるしかない(^^;)。
翌朝早い予定だったので、久しぶりにリーブオーダーして寝ることにした。やはり1.4000のネックラインが気にかかる。夜中にユーロドルが上昇することがあったにしても、1.4005をロスカットにしてその手前で売っておきたい。昼間の高値は1.3952であったので、そのちょっと手前でオファーすることにして、1.3945に注文を置いた。
夜中にスイス中銀のユーロスイスの買い介入の発言があったみたいで、その瞬間にユーロドルは昼間の高値を攻撃。私の売り注文はダンになった。そしてアジア市場では1.3900をはさんでの攻防となっている。昨日売ったユーロは実に少しだけだったので、さっそく私は1.3913で売り増した。
本日の欧州序盤では昨晩の売り値付近まで戻ってきてしまい、ちょっとガッカリしたが、また1.39ちょうどをはさむ展開になってきている。どうなることやらだ。週末のEUサミットではだいぶ風当たりが強くなったイタリアからのニュースかもしれないし、ともかく今晩は明日のEU会議をひかえての動きが中心になるだろう。欧州筋からの唐突な意見は出てこないだろうが、マスコミからの観測記事には踊らされる可能性はある。
もちろん経済イベントなどもたくさんあるが、やはりそうした材料に注意していく一日となりそうだ。最近言われはじめているのは、EFSF拡充はいいとしても、それでまた各国の議会にかけなければいけないという政治リスクである。ドイツではメルケル首相が野党に歩み寄って説得は成功しそうだが、ユーロを採用していないイギリスですら、昨日EU離脱を国民投票に諮るという動議に与党内の多数の議員が賛成に回った。このようなことが、これからのマーケットのテーマになりそうでもあるので気をつけたいものだ。
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