昨日の海外市場では、イタリアがIMFの管理下に置かれたことなど、欧州不安の新材料がどのようにマーケットに消化されるかが、最大の関心となった。アジア時間のうちはリスク回避の方向で動き、やっぱりかあという感じ。私もついついユーロドルを売ってしまう。スピードがのろいので、25ポイントも取れたらホクホクである。
売っては買戻しを繰り返していたが、さすがに欧州時間が近づくにつれて、フレッシュな材料が出てくるのではないかと思い、ちょっと慎重になりはじめた。ギリシャの2年債が100%を超えるところで推移しても、これではもう驚かない。イタリアの長期債の利回りが上昇しても、かなりの部分が織り込み済み。欧州序盤ではリスク回避が続きながらも、緊張感のない相場展開であった。
アメリカも夏時間でなくなった。ちょっと相場の時間が遅れるので、ちょっと間延びする。毎年のことだが、なんだか慣れるまでには1か月くらいを要するものだ。米国市場が始まるのが異様に遅く感じられ、眠くてしょうがない。結局、昨日はユーロドルは100ポイントほどしか動かずで、実に狭いレンジで終わった。
私はまだ体が慣れていないため、夜は相場に参加しなかった。ニューヨーク時間の午後にはシュタルク理事が「欧州危機は2年くらいで終わるだろう」という意見を出したので、マーケットは楽観的になり、米国株も堅調になり、翌日のリスクテークを予想させるものがあった。
ところでドル円は、いつ見ても同じレートである。まあ、ドル円が相変わらずな状態を続けるのは介入の余韻もあるので仕方がないが、ユーロドルの1.37台というのもそろそろ飽きてきた。1.3850か1.3650のどちらかをブレークしてこないと、ちょっと走り出さないのかもしれない。それまではレンジ相場が続くと思って相場に臨むしかなさそうだ。
しかし今日のアジア時間ではそれもかなわず。1.3750を中心に前後10ポイントでしか動かない。売るならば1.37台の後半で、また買いならば1.37台の前半でと思っているのだが欧州の序盤では見た1.37台の前半ではあっという間に上がってきてしまい、買いそびれた。1.38台手前まで上がってきたので1.38台で構えていたら売りも来ないし、これまで欧州危機を材料に激しく動いているのに順応してきただけに、なんだかやりきれない。
そうはいいながらも、今しばらくは欧州発のニュースに要注意を続けるしかないだろう。今晩はアメリカの経済指標もないだけに、いっそう欧州のトピックの比重が大きくなる。
欧州市場ではややリスクテークで始まっているが、日本時間の20時30分にはイタリアで財政関連法案採決の協議を開始するらしいし、どこでどうなるかまったくわからない。とりあえずユーロドルの1.38台では売り体制でいようと思うが、上に簡単に飛ばされる可能性もあるのでロスカットはタイトにしておかねばだし、十分に注意が必要である。
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