ベルルスコーニ首相に辞任で大いに盛り上がった後の昨日のマーケット。そのままリスクテークで欧州時間も入るのかと思いきや、市場の反応としてはイタリア国債の急落という形で現れ出た。そもそも10年ものの利回りで6%を越えてきたあたりから危ないと言われていただけに、7%台まで上昇してきたのは不安を増幅させるには十分だった。
それでも欧州の序盤ではユーロドルは1.37台の中盤あたりをウロウロしており、それほどの恐怖感がでていなかった。前日に堅調なユーロ相場を目にしただけに、なかなか私も売り込んでいく勇気が沸いてこなくて、どうしたものかと思っていた。
しかし夜の19時を回ったあたりから、グローベックスでの米国株も大きく下げ幅を拡大し始めてきたので、やはり市場は不安に感じているのだろうという思いで、私もついに1.3690で売っていくことができた。ああこんなに安いところから売り始めなくてもよかったのにと思いながら…。
それでもイタリアを材料に、ロンドン勢もジャーマンネームもみんなユーロ売りに励んでいるようだ。あんまりアゲインストも会わずに1.36台の前半まで進んだ。前日のまったくパッしなかったトレードの分も十分に回収できそうだ。まだ月が変わって初旬なので、ここは売り増し作戦に出たいところだ。
日銀がドル買い介入して、その余波でユーロドルがドスンと下がってからの最大の押し目は月初の1.3608である。そこを下に抜けたらロスカットなども誘発して、もう一段の安値追いとなりそうだ。1.3595で売りのストップ注文だけを置いて、あとは相場のほうが戻らないかだけを心配してキープウォッチ。
ニューヨーク市場の序盤で、ユーロドルは1.35台に突入してきた。私の売り増しも完了して、より多くの緊張を強いられることとなった。しかし私の売り込んだステージでは1.3580くらいまでしか差し込まず、すぐにショートカバーで1.36台に戻してきた。あまり欲張って損を出すことになってもまたつまらないので、速攻で買い戻した。結局、売り増しした分だけ損してしまったが、それだけこのあたりのレベルを下値のメドとしていたプレーヤーも多かったということである。
私はポジションを閉じてしまったので早々に寝たが、やはりその後にユーロは一段安したようである。1.35台の前半まで押し込まれる過程においては、欧州不安の増大が原因になっているだけあって、ユーロの独歩安。ユーロドルは高値から300ポイントの下落となる中、ユーロ円は2円幅の、ユーロポンドも100ポイント以上も落ちることとなった。
さて問題はこれからである。アジア時間では一応の落ち着きを取り戻し、ユーロドルは安いには安いが、フレッシュローを見にいくまでには至っていなかった。しかし欧州市場にバトンタチしていく頃、ついに1.34台を見た。
素直に1.34台に突入とともにショートメークしていくかどうかだが、何しろユーロは売りたい向きのほうが多いので、何かニュースひとつで大ショートカバーに遭遇する怖さもある。株安が続いている限りは相場展開がリスク回避にならざるをえないので、ユーロをロングで持っているのは苦しいところだ。悩んだが1.34台に突入してきた時、私は売ってみた。
すぐに1.35台に戻ってきて、その後もう一度1.34台をトライしたがまた戻ってきたので、さすがに止めた。そうするとイタリアの株価が金融を中心に戻していることを材料にして、ユーロドルは一気に1.36台まで急伸することとなった。まったく持って気を引き締めてかからないと、すぐにホクホクが泣きべそに変わるような相場だ!昨日の急落でユーロのロング勢は深く傷ついているが、今晩はこのままこうした反対の材料で踊らされることになるかなぁ。
日本時間 18時50分
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