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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

米市場ではフィッチの警告が冷や水に、
引き続きユーロはセルオンラリーのつもり

2011年11月17日(木)18:37公開 (2011年11月17日(木)18:37更新)
持田有紀子

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 昨日のアジア時間でユーロドルの下攻めは、ちょっとやり過ぎではないかとの観測もあった。何の材料もないのに、シンガポールネームなどによる仕掛け的なユーロ売りによって、今月の安値をブレークしてきただけだ。確かに機械的に損切りベースの投げ売りは出てくるだろうが、なにせユーロと米ドルの交換レートである。そもそも日本にはまったく関係がない。

 往々にしてアジア時間にレンジをはみ出すとロクなことがないのは、為替相場では周知のこと。多くのプレーヤ-が注意してかかる。私も基本はユーロの戻り売りだと思っていても、どうもアジア時間に安値トライしたのが気持ち悪い。いつもであれば出来あがったショートを殺してから下がるはずである。私も完全にセル・オン・ラリーを待つつもりでいた。

 そうすると欧州市場の序盤ではユーロの巻き返しが起こったではないか。理由はよくわからないが、1.35台まで戻って来た。昼間の安値から比べると100ポイント弱のメクリ上げである。さて、上がって来たのはよいのだが、ここからユーロ売りに励むかどうかが次の問題になる。そのまま上に持っていかれるのも悔しいし…。とりあえず上がっている局面では無理して売り込む必要はないので、何かのきっかけで下げる局面を売っていくことにした。

 売り場探しをしながらニュースを読んでいると、イタリア国債がまた7%をやっているらしい。最近は「7%」という数字が出てくれば、それでユーロ売り。また「6%」という数字でユーロ買いになっている。ここは一発、ユーロを売らねば!さすがにトップである1.3550近辺では売れるはずもなかったが、とりあえずは1.3525で売った。夕方から1.35台があればと願っていたのだから、これでよしとするしかない。

 意外に早く相場の反応は起きて、簡単に1.34台に逆戻り。次は昼間の安値を責められるかというステージに入った。しかし容易に想像がつくのは、アジア時間からキープしている人々の逃げのビッドである。完全に反対に持っていかれているのだから、ビッドもかなりきつそうだ。私も欲張らずに1.3450が割れたら買い戻そうと思っていたのに、そのレベルにタッチせずにユーロ相場は反転していった。

 用事もあったので相場を見ないままにしていたが、ユーロドルは1.35台に復帰し、自分のコスト付近まで戻っていた。これで日中の高値を更新してきたら、私のロスカット注文のほうがダンになってしまう。トホホと思っていたら、運よくユーロドルがまた緩んできてくれた。1.3475で完全に利食いして、次なる戻り売りを待つことにした。

 サマータイムも終わり、ニューヨーク市場がバタバタと動きだすのは、なんといっても米国株がオープンする夜中の11時半からだ。最近は欧州危機のおかげで経済指標ではあまり相場が動かなくなっている。そのせいもあるのか、標準時に戻ってからというもの、11時半以降のトレードがまったくなくなってしまい、早起きした時だけになってしまった。まだ身体が冬用の時間になっていないということなのかも~。

 その後のニューヨーク市場では、クローズ間際にフィッチが米銀の格付けにも欧州の影響が出るだろうとしたことで、いっせいにリスク回避の動きとなった。株価が下げるにつれてユーロも下落。そのままアジア市場に突入し、ユーロドルは昨日の安値を攻めた。

 しかし時間が経つにつれて次第にアジア時間ではリスク許容度が増してきたようで、ユーロは買い戻され、また1.35台まで上昇。でも私の基本戦術は変わらない。やはりユーロの戻り売りである。本日もまた欧州勢が参入する頃あいを見計らってユーロ売りで臨んでいる。


日本時間 18時30分
 


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