アメリカの債務削減が難航し、ドイツの国債入札まで不調をきたし、日本は格下げが時間の問題とされている。今までリスクの回避先だった安全資産とされるものまでもが、怪しくなってきた先週の動きだった。確かにイタリアやスペインの長期債の利回り上昇よりも、日独米のほうがずっと重要性が大きい。すぐに解決するような対策はないだけに、事態の深刻さは増してきているようだ。
金曜日のマーケットもリスク回避の方向で一貫した。仮に戻ることがあっても、それは単なるショートカバーだ。本格的な反転ではない。ユーロ相場も同じであって、戻りは確実に売られてしまう。アジア時間で小動きを繰り返していたユーロドルも、欧州時間では再び安値攻め。1.33の大台を割りにいくのに全精力が費やされた。
私もユーロドルのショートをキープしてはいたのだが、戻らないので売り増しができていない。突っ込んで売っていってもいいのだが、不用意に売るとメクられてしまいそうな感じもする。
できるだけ外部環境の深刻さが露呈する瞬間にユーロショートを作りたいのだが、即座に手に入るニュースなどは少ないので、プライス勝負ということにならざるをえない。とりあえずは1.3300割れで売ってみるしかない。
理由がイタリアの債券市場の値崩れだったらしいが、ともかくもユーロドルが1.32台に突入してきた。私もトレンドフォローと称して1.3288でも追撃売り。グローベックスでは株安も進行中だったので、ほとんどアゲインストに会わずに、ユーロドルも1.32台の真ん中まで来た。
ユーロ円も102円台に差し込んでいるのだが、あと怖いのはユーロショートのアンワインドだけだ。機械的に1.3280で全部の買い戻し注文を置いておいて、あとは休み明けのニューヨーク勢の出方次第となった。
しかし私には残念なことだが、米国株が始まるとともに相場は大きく巻き戻され、株価の上昇とともにユーロも値を戻し始めた。自分のロスカットの位置が悪かったか、自分のストップだけはついた。その後は売り直す気力もなくなって撤退。この日もアメリカは半日営業だったが、アーリークローズにかけてはリスク回避が深刻化していた。
ベルギーの格下げのせいでもあったが、ユーロは再び売りなおされた。ユーロドルは1.32台の前半まで押し込まれて翌週を迎えることとなった。ここまで来ると10月初旬の安値である1.3144が意識されるところだ。
しかし本日はおおいにリスクテークで始まった。イタリア救済のためにIMFが6000億ユーロほども支援すると報じられたからだが、ユーロドルも1.33台に乗せてきた。あれだけ売りたいと思っていたのだが、さすがに急上昇している局面では売りにくい。アジア時間ですでに1.32台の後半まで垂れてきた。欧州勢の出方を確かめたいところだったが、欧州市場でも同じ流れとなった。
次に1.3250を割り込んできたらネバーカムバックということもありそうだが、欧州市場でユーロドルは1.33台後半付近まで上昇してきた。ショートにするには様子見を強いられることになっている。今晩も突発ニュースに振らされそうなので、注意して臨みたいものだ。
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