昨日の海外市場では、為替はあまり動かなかった。ユーロドルは1.3400をはさんでの前後50ポイントもないような値動き。これではレンジ相場を助長するだけで、なかなか大きくポジションを傾けていこうという気を起させない。外部環境をながめても、何を期待しているものやら。
株や原油などのリスク商品は必要以上に高どまっていて、それ以上に買い上げるのも不可能で、かといって売り込んでいくにはレベルが高過ぎるといった状態なので、まったく値段がダイナミックに動かなくなってしまっている。S&Pによる欧州各国の格下げの話もいつしか忘れ去られるようになって、ひたすらリスクテークのムードとなっている。
EUサミットで何が決まるというのだろうか。財政規律を厳格化といっても、あまり厳しくし過ぎると各国の主権の問題に抵触する。これはヨーロッパが大戦を通じていちばん嫌うところだ。EU条約の改正といっても、議会の承認が必要になるなど、以前のつぶされたギリシャの国民投票以上に政治的リスクの高いものになる。どちらにせよ、財政問題を議論の中心に据えている以上、即効性は望むべくもないはずなのだが、、、。
そうした政策催促の意味もあって、昨日はニューヨークオープン前にS&PがEFSFの仕組み自体を格下げ方向で見直すと発表。一時的にもせよ、マーケットは混乱に陥った。確かに欧州各国を格下げするのであれば、最上級のランキングをもった国はなくなる。それらが合わさって、なお最上級の格付けであることは実におかしいのである。
しかしこれも予想の範囲内であったと思うし、ありうることと従前から考えられていたことだ。むしろ格付け機関のほうが遅きに失したと言ってよいくらいである。これをうけてマーケットはリスク回避に動いたが、米国株の下げ幅も今週の安値を下回ってくるでもなく、次第に株価も復調し、クロス円も値を戻してきた。
ユーロドルも上昇に向かうのだが、そうはいっても1.34台に乗せてくるのがやっとという感じ。ドル円は言うまでもなく動かないので、まったく食指が動くどころではなく、やることがない。仕方がないので早めに起きて相場を見ようと思い、何もせずに本日を迎えた。
今日の為替相場はますますスタックしていた。午後からは日本株が上昇基調に乗り出してきたので、若干のリスクテークの意味もこめてユーロが強く推移。しかし1.34台の後半は売り場だと思う。しかるに私は1.35台に乗せてきたらポジションカットするつもりで、ユーロドルのショートを仕込みたいと考えている。そのくらいの動きが出てくれればよいのだが。
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