■米ドル/円は上昇しつつあるが、スピード感に欠ける動き
先週のコラムでは、消極的理由で米ドル/円の一時的な買いを薦めてみました。
この点に関しては、あまり間違えてはいなかったようで、米ドル/円は上昇しつつあります。
しかし、スピードがあまりにのろのろ運転なので、それほどおもしろくないですね。ただ、年末にかけて、こうした傾向がまだ続くと思われるので、一応、基本的な考え方を維持しておきます。

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■なぜ、ユーロは下落を続けているのか?
一方、ユーロに関しては、ポジションはショートですが、リスクがあるので買うには躊躇してしまうという話をしました。その懸念は当たっていたようです。
ユーロ/米ドル、ユーロ/円ともに、この1週間、下落を続けています。

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理由に関しては、言うまでもないと思います。
EU(欧州連合)加盟国は、12月8日(木)~9日(金)にサミットを開催し、EU加盟国27カ国中26カ国の首脳は、赤字規則の遵守強化と違反国への罰則に合意または検討することに同意しました。
つまり、今後、財政再建をしっかり実行することを義務付けようとしたわけです。しかし、イギリスはこれを拒否し、結局、イギリスを除く26カ国での合意となりました。
これは、何を意味するのか?
■英国の提案拒否で、EUの存続自体に対する不安も…
EUという枠組みでヨーロッパは経済的な連携を深めてきましたが、イギリスは、通貨ユーロの採用を拒否しました。
イギリス以外の国はユーロを採用するか、あるいは、自国通貨をユーロに連動させる方法をとっています。これは、EU加盟国のうち、イギリス以外の国は、何らかの形で、ユーロ圏に参加していることを意味します。
一方、イギリスだけは、EUの中で独自の通貨体制を維持しているのです。今回、イギリスが提案に同意しなかったことは、EUの存続自体に対する不安もあおってしまいました。
やることなすこと、裏目に出てしまうといった印象です。
■「持続的な円安はない」との想定で戦略を
こうなると、ユーロに買い安心感はなかなか出てきません。ポジションはかなりショートになっているので、多少、戻るかもしれませんが、このトレンドを変化させるには、環境が悪すぎるのです。
また、世界経済の状況にも不透明感が増してきており、各国の株式市場では、下落傾向が明確になっています。ヨーロッパばかりでなく、ブラジルやインド、あるいは中国など、新興国の株式市場も年初来2割程度、下落するなど、世界経済はいまだ不安定な状態です。

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今後、極端な円高はないだろうと言ってきましたが、少なくとも「持続的に円安方向に向かうことはない」という想定で戦略を練るとよいでしょう。
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