ベッセント財務長官の発言からトランプ関税交渉の進展具合を見る
トランプ相場が続く中、とても気になる発言がありました。それは、米国のベッセント財務長官の発言です。
ベッセント氏は6月11日(水)、連邦議会下院の公聴会で証言し、その中で各国との貿易交渉のため90日間の停止を決めた相互関税の期限について、「貿易国によっては延長する」考えを示しました。
ベッセント氏は、これに加え「18の重要な貿易国がある」と説明しています。この中には当然、日本も入っていると思います。
米国による相互関税の延長期限は7月9日(水)ですが、現在のところ合意が得られているのは、英国だけです。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は144-147円程度へレンジ切り上げか?米国と英国による関税問題合意が他国に波及すれば米ドル上昇圧力がさらに強まってくるか?(5月9日、今井雅人)
今後、7月9日の期限に向けて各国との合意が続いて出てくると考えていましたが、その期限より長引く可能性が出てきたということです。この発言を聞く限り、各国との交渉がなかなか思うように進んでいないのかもしれません。
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トランプ大統領に付き合う相場が継続しそう
赤澤経済再生担当大臣は本日(6月13日)から、再びワシントンに向かいますが、そこでの協議がある程度まとまった場合は、6月15日(日)~6月17日(火)にカナダで開催されるG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)サミットに立ち寄る予定となっています。
逆に言えば、まだまとまる目途がたっていないという風にも取れます。おそらく各国とも同じような状況なのかもしれません。
特に不安定なのが、米中関係です。米中両政府はロンドンで貿易に関する閣僚級協議を開催しましたが、そこで、中国はレアアースの輸出規制、米国は輸出規制をそれぞれ緩和する見通しとなりました。しかし、どうやらこれも期間限定のようです。
このような感じですので、まだまだトランプ相場に付き合わなければならなそうだという認識を強めています。したがって、相場のアップダウンはまだ何度も起きそうです。

引き続きトランプ相場に付き合わなければならなさそう (C)Mark Wilson/Getty Images
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スワップ金利が取れるメキシコペソ/円の買いも有効か
トレード戦略としては、以前からお話しているとおり、短期でニュースに乗っていく方法が一番有効だと考えて実践しています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は142~146円程度のレンジを想定。関税交渉やイーロン・マスクとの非難合戦などトランプ大統領による不確定要素が多く、材料に随時対応する展開となるか?(6月6日、今井雅人)
ただ、それとは別に、レンジの動きが続くという前提で、メキシコペソ/円のようなスワップ金利が取れる通貨ペアを買っておくことも有効なのかもしれないと考えていることを付け加えておきます。

(出所:TradingView)
今後、1週間の米ドル/円相場は142~146円程度のレンジを想定しておきます。

(出所:TradingView)
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