昨日の欧州市場ではスペインの国債入札に注目が集まった。その2日前に短期債の入札が旺盛だったことで、これを契機にリスクテークに臨もうという魂胆だからである。それでも今度はものが長期債だけに簡単に調達できそうでもないので、結果を見てから、もしくは先にポジションは作っておくが、ダメだったらすぐにカットしようという姿勢のものが多かった。
すでに高くなってしまったところからユーロ買いに励んでも、最近のレンジ相場だとユーロドルは上方向に簡単にブレークしなさそうだし、かといって入札結果が出てしまって不必要になった状態で長持ちするほどユーロがブルでないからだろう。それだけ欧州市場ではまだ内実は不安定なのだ。
夕方の17時を回って、いよいよ欧州株も上がってきた、それにツラれてグローベックスの米国株も先週来の高値の位置にまで上昇。日経先物も昼間の高値である9630円を越えてきた。外部環境としてはユーロ買いの条件は整った。私もダメならばすぐにやめるつもりでユーロドルを買っていった。1.3139だ。いかにも高い。まあ15ポイントもアゲインストにもっていかれたら、すぐにやめるつもり。そんなにユーロブルにこだわったポジションではない。
17時半を過ぎるとちょっとチョッピーになってきた。スペインの結果が出たのかどうかもわからない。値段を追うだけで忙しい。株価は急激に下がるかという動きをした直後に、今度は反転して、それまでの高値を越してくる。なんとも激しい。参加者がみんな、どう反応したらよいかわからないような状況なのだろう。私は極東にいるので、なおさらわからない。プライスに従うのみである。
グローベックスでの米国株が大きく上伸した瞬間に、同時につけた1.3165あたりが最大の上げだった。すぐに為替相場もチョッピーになり、あっという間に私のコストも割り込んできた。私はもう何でもいいから投げ売りした。結果的には10ポイントほどの損失ではあったが、実につまらない取引をしたものだ。そのあと1時間くらいはユーロは同じレベルで上下動を繰り返していたが、どうやら株価の方で先に決着がついたようで、安値圏で張りつきとなってしまった。
私はこれを見てユーロショートに振ることにした。今度はユーロ円だ。107.16だった。これが高いのか安いのかは気にしなかった。外部環境の変化が回りまわって、為替相場にもリスク回避の形で現れると思ったからだ。しかし実際問題としてロスカットだけは設定しておかなければならない。さきほどユーロドルの戻し高値をつけた同じ瞬間に、ユーロ円も107.34の高値をつけていた。なんと、ほぼ高値圏で売れているではないか。とにかくそのちょっと外側ということで、107.35で買い戻しのストップ注文を置いた。
20時すぎの米企業決算も、リスク回避になりうる。すでに相当の期待ベースの株買いもあることだろうし、今日もスペイン期待でリスク商品を買い込んでいる。EPSが予想通りならば、それだけ売り材料になってしまうはずだ。BOAやモルガンスタンレーの決算が出ると、なんとなく米国株が下がってきて、朝からの安値レベルを割り込んできたあたりからユーロ円も下げ足を速めだした。
きっとユーロ円に限らず、ほかのクロス円も同じようなものだろう。ユーロ円は106.65あたりまで落ちて、その後はしっかりとなってきた。私も21時半の失業保険の前にはポジションを閉じたいと思っていたので、他の多くのプレーヤーも同じように考えていたのだろうか。なにせ前回の申請件数はとても悪かったので、集計ミスか、何か季節調整要因ではないかと疑われたくらいだ。
それが今回の結果が反動でもとに戻るだけでもリスクテーク要因になってしまうだろう。そういうわけで私は底値では拾えなかったものの、時間帯を考慮してポジションをクローズした。106.88だったが、まあ、良しとしよう。雇用保険で噴き上がったところをまた売ればよいのだから。
しかし失業保険は今回も悪かった。これには驚いた。マーケットも驚いた。ユーロ円も一度下攻めに。売りそびれてしまったが、米国株オープンにともなって株価が回復したので、ユーロ円も切り返してきたので結果的には助かった。前日に下抜けしたユーロポンドだが、やはり今度は0.8200がレジスタンスとして強力に立ちはだかったようで、ユーロオン戻しの局面でも上値は限定的。ユーロドルは一日100ポイントのみの変動のまま、動意少ない状態を続けている。
今晩のGEで決算発表のヤマ場は越える。今週はミクロ指標が良くて、マクロがぜんぜん悪かったという週になった。マクロが悪い以上、これが来週以降のセンチメントを支配しそうだ。基本はリスクオフの姿勢で対処するのがよいのだろうが、やはり日銀の会合まではリスクテーク気味で、それ以降ゴールデンウィークにかけてはリスク回避となると考えたほうが無難なのかもしれない。
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