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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ギリシャの暗雲たれ込める欧州
でも一筋縄ではいかないユーロの安値攻め

2012年05月09日(水)17:48公開 (2012年05月09日(水)17:48更新)
持田有紀子

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 月曜日の相場展開にはちょっとがっかりだった。週明けの早朝の場で大きくリスク回避に傾いて、原油や株価などリスク性の高いものはアジア時間で大幅に安値追求だったのに、欧州時間ではやや底打ち。そして米国市場では見事なまでの切り返し。そこまでのリスク回避の方向でポジションを持っていた人々はすべて投げさせられただけという実につまらない戻しを演じて終わった。

 では欧州の選挙結果はあまり目先の相場に悪影響は出ないのかと、興味が薄れて臨んだ昨日の相場であった。ユーロドルも1.295まで差し込んだのちの1.30台であるから、いかにも下値攻め失敗の感が強い。強力なユーロ売り材料でもないと、ちょっと気軽にはユーロを売り込んでいけない。

 そうして始まった昨日の欧州市場だが、序盤ではドル円は79円台の後半、ユーロドルは1.30台の前半だ。あまり安くもないから、比較的にマーケットの安心感を誘うようなレベルだ。後は月曜日の後半にショートカバーしたリスクオフのポジションのアンワインドがまだ続くのかを見る必要がある。

 個人的に思うのは、フランスの選挙は予想通りだし、ギリシャも予想された結果ではあった。しかしギリシャについては、連立がうまくいかないようであれば、再選挙もありそうだ。また振出に戻ることになる。ギリシャ発のニュースに焦点を当てて、ユーロの値動きを探る。

 21時過ぎからグローベックスでの米国株が垂れてきた。前日にやった下値レベルなので本来ならばとても攻めにくいところ。それでもズンズンと落ちてくる。これは何か悪い報道でもなされたのではないかと確かめもせずにユーロ円を売った。もちろんリスク回避の動きになるのを期待してのことだ。ちょっと出遅れ感はあるものの、ユーロ円を103.88で売った。

 他の通貨ペアを確かめると、ユーロドルも下がってきており、1.30ちょうど割れ寸前。ユーロポンドも安い。ニュースなどを見ていると、どうやらギリシャの連立協議が難航の模様だ。対外債務のモラトリアムを要求しているなどと、過激な要求も突き付けられているようだった。これではギリシャの信用問題が悪化するのは仕方のないことだ。

 とりあえずユーロ円のストップ注文は、直近の戻し高値であった104.13のちょっと外側ということで、104.15で置いておいた。しかしそのまま小動きとなってしまい、ニューヨーク市場へとバトンタッチ。

 103円台でのショートなのだから、もちろんファーストターゲットは月曜日の早朝の安値である103.19である。経済指標が何もなかったので、あとは株価動向に従うしかないのだが、ニューヨークオープンで米国株は一段安したおかげでユーロ円も差し込んだ。しかし103.50は割れず。

 ちょうどS&P先物も月曜の早朝の安値レベルを攻め込んだが、あと数ポイント足りずで、どうもやや戻り歩調だ。しかしこんなふうに前日に失敗した安値サイドをもう一度攻め込むことになるなんて…。自分にとっては全くの驚きの展開である。まったくそれではあの戻しは何だったのか。私はユーロ円を半分だけ買い戻して、残りを同じストップレベルで置いて寝た。

 夜中に米国株がまた切り返してきて、ユーロ円も104円台まで戻したようだ。しかしストップ注文にまでは届かずにセーフ。アジア時間の午前は103円台の後半であった。もう一度、売り増してみようかなとも思ったが、ここは我慢することした。昨日はポジションをせっかく小さくしたのだから、やはり103.19アラウンドでのプライスの挙動を見られるまでは持っていようと思う。

 今晩も米国発のイベントが少ないので、欧州からのニュース待ちとなる。いうまでもなくギリシアの政権である。私としてはユーロドルもユーロ円も、月曜日の早朝の安値を下抜けしてこない限り、次のアクションは起こさないつもりだ。それまでスモールのユーロ円で構えている。


日本時間 17時40分
 


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