みなさん、こんにちは。
6月17日(日)のギリシャ再選挙を控えて、為替マーケットではユーロを筆頭に神経質な展開が続いています。
■スペイン国債の利回りが危険水域の7%に急接近!
ギリシャ問題は6月17日(日)の選挙の行方次第ですが、今週(6月11日~)はギリシャではなく、スペイン情勢が悪化。
6月9日(土)にはスペインの銀行救済が発表され、いったんは市場が落ち着きをみせるかと思われましたが、その発表を意に介さず、格付け機関が次々とスペインの銀行の格下げを発表。
これを受け、スペイン10年債利回りは6.80%台へ突入。
スペイン10年債利回りが危険水域といわれる7.00%に急接近し、ユーロ/米ドルは一時急落。
スペイン国債が危険水域に近づいたことで、通常ですと、ユーロ/米ドルは続落する可能性が高いのですが、今週(6月11日~)に限ってはユーロの下値は限定的。
ユーロ急落時には多くの投資家がユーロの買い戻しを活発化させ、ユーロ/米ドルは1.2450ドルが底堅く反発。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
6月13日(水)も、格付け機関のイーガン・ジョーンズやムーディーズがスペイン国債の格下げを示唆し、ユーロ/米ドルが反落するも下げ幅は1.25ドルミドルまでと、下げ幅は限定的。
米銀の友人によれば、ユーロ下落時には、中東勢を筆頭にユーロ/米ドルの買い戻しがすかさず持ち込まれているとのこと。
■ギリシャの再選挙までは、ユーロは方向性なく乱高下
6月17日(日)のビッグイベントに向けて、多くの参加者はユーロの急落に備えヘッジをほぼ終えつつある模様。
加えて、短期のヘッジファンドは、オプションでのヘッジも進めており(ガンマロング※)、ユーロ/米ドルの上昇局面では、彼らからのユーロ売り、ユーロ/米ドルの下落局面では彼らからのユーロ買いが持ち込まれているとのウワサもあり、ユーロはヘッドラインに連れ、乱高下しています。
ただ、値動きは激しいのですが、前述の短期筋からのカウンタートレードにより、今週(6月11日~)のユーロ/米ドルは急騰、急落を繰り返しているのみでトレンドが形成できない状態。
(※編集部注:「ガンマ」とはオプションの指標の1つで、「ガンマロング」とは簡単に言うとオプションの買い持ちのこと)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
こうしたマーケット環境下では、マーケットのセンチメントに誘引された高値追い、安値売りだけは避けたいところです。
ただ総じてみれば、ユーロ/米ドルはじわじわと底値を切り上げている展開。
報道によれば、先週ご紹介したFXコンセプツ(※)は、ユーロ/米ドルはいったん1.2900ドル近辺まで反騰した後、1.2000ドル割れへと急落するといった予測をしているようですが、今週のユーロ/米ドルの底堅さをみていると、そうした可能性も高まっているのではないかと考えています。
【参考記事】
●下落の止まらなかった豪ドルが急反発! 豪ドル/円は数日で5円も戻す荒れ相場に(西原宏一、6月7日)
(※FXコンセプツ=ニューヨークを本拠とする、40億米ドルの資産を運用する世界最大級の為替ヘッジファンド)

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
どちらにせよ、大きなトレンドが出るのは、ギリシャ再選挙の結果次第というマーケット環境ですので、今週後半は、大きなリスクを取らず、週末の結果を待ちたいところですね。
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