昨日の海外市場では、欧州の信用不安が高まるのかどうかが注目された。ここ最近では大きなニュースが流れても、翌日にはケロっとしていることも多い。キプロスがEUに支援を申し出たことで、ユーロ採用国のすでに3分の1が財政問題を来たしていることになる。たいへん成り行きが心配された欧州市場だったが、出てくる材料そのものは悪いものが多かった割には、リスク回避の相場展開が続いたわけではなかった。
欧州序盤ではユーロドルは1.2500をはさんでの動き、ドル円は79円台のミドルでスタート。欧州不安もありユーロはひたすら重い足取りを強いられたが、値幅は大きくない。したがって恐怖に陥る感じでもなかった。ドル円もユーロドルも値幅が小さいままに、ニューヨークのランチタイムに差しかかったが、メルケル首相が「ユーロ共同債には死んでも反対」みたいな強烈なことを言ったが、内容的にはこれまで切り返してきたことで新鮮味はなし。
このメルケル首相の発言は、モンティ首相が「共同債を実現しないと、自分は辞任する」と言ったことにたいする当てつけであったのだろう。ユーロ円もユーロドルも安値攻めはするにはしたが、大きくレンジブレークするというほどのこともなかった。あまりにも動きが乏しいので、私はニューヨーククローズでも見ようということにして、寝ることにした。
朝、起きて画面を見ても、やはり小動きのままだった。米国株も高いゾーンでやっているが、値幅自体は狭い。それゆえにリスクがどうこうということで為替相場が動いたということもなさそうだった。昨日は欧州のポリシーについての混乱もあったが、日本でも消費税に絡んで造反が出たりして、不透明材料が出た割にマーケットは静かだったといえる。
まあどの材料についても、内容としてはどれも想定の範囲内なのだから仕方がないか。私としてはもっと大きくゆすぶられることが出てくることを期待もしていたのだが、結局は私はポジションを取ることもなく、平穏無事に終わった感じ。
今日は欧州の財務相会議が電話で行われるらしい。キプロスやスペイン支援の問題のためだろうが、これも期待だけが先行しているように見える。アジア時間では株価は底堅く推移し、日本株などは高値引けしてしまった。その余波でユーロ円もドル円もとても強い。昨日までリスク回避に賭けようと思っていた私にとっては、ちょっと意外でもある。
今晩の方針としては、財務相会合からの出てくるものに反応するしかないのだが、やはり恒例のようになってきたスペインの長期債の動きを見つつということになるのだろうか。昨日も利回りは上昇していたが、今日も上がるとなると10年ものの利回りは再び7%の大台をアタックすることになる。そうなると否応なくユーロ売りとなるだろう。今日はアメリカからの材料では動かないものと見ている。
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