昨日の欧州序盤は、ドル円は79.60あたりで、ユーロドルは1.2630あたりで始まった。ドル円はそれほども動いていないが、80円ちょうどを攻め続けて、その買い疲れが見えているような感じ。ユーロドルも先週末の欧州圏の不安払しょくで1.27台ちかくまで買い進んでみたものの、存外に頭も重く、その調整中という状態だ。
株価のほうは崩れず、高値圏をキープしているので、不用意にユーロショートで臨むべきではないが、そのようなポジションの積み重なりがどうも気になる。欧州株も高値追いで始まった挙げ句に、18時過ぎには一段高へと向かった。これでは値動きが重いからといってユーロドルやユーロ円を売り込んでいくわけにもいかない。フィンランドからはさっそくにオランダともどもESMが債券を購入することに反対という話しが伝わってきた。
よっしゃとユーロ円を売り込んでみた(@100.60)ものの、あまり欧州株は反応していないようだ。なんだか下落もすぐに止まってしまったようだし、もうちょっと反転下落の局面を待つべきだったかと20ポイントほどだったが利食千人力してしまった。ニューヨーク時間に移っても目立ったリスクオフの端緒をつかめないでいた。
しかしISM製造業指数の時間になると、ズルっと相場が崩れた。結果が悪かったのだろう。米国株も下がり始めたので、今度はちょっとユーロドルを売ってみたが、また20ポイントほどしか下がらなかった。まあ、仕方がない。すぐに買い戻したが、その後は朝に至るまでユーロドルは1.25台の後半で狭いレンジ内にとどまっていた。
下がっていた米国株もニューヨークの午後からは次第に買い戻され、欧州会議をうけて各国の金融当局による景気刺激のための財政支出への期待が高まっているのがわかる。さらにこれだけに限らず金融緩和もパッケージとして打ち出されるのではないかという楽観論まであって、株高の割りには債券相場も堅調だ。どちらも上がってしまうという金融相場の様相を呈してきた。
このようなときはリスクオフの方向で攻めるのは得策ではないとされている。明確なリスクテークというわけではないが、ユーロ円やドル円が上がってしまう、すなわち円の全面安になる傾向が強いということだ。円絡みの通貨ペアはもちろんのこと、為替レートで数字のついているものは何でも上がってしまう危険もある。ショートはしづらい局面に突入したというべきだろうか。
そこで問題になるのが、この期待はいつまで続くのかということである。何を目標にして期待しているのかということだ。直近では木曜日のECB(欧州中銀)で利下げも含めた金融緩和を打ち出すのではないかというのがひとつ。当然、緩和をもっと迫られているイギリスは言うに及ばずだ。
そして金曜のアメリカの雇用統計。これで悪かった場合には、来月初旬のFOMCでQE3があるだろうというシナリオになるのだろうか。それにしてもサマーラリーいうわけではないが、期待のゴールが来月まで待たされるというのはかなりのフラストレーションをともなう。
今日は10時に中国の景況感が出たが、若干の改善がみられた。しかし相場に対するインパクトはかなり遅れて出てきたので、これが原因だったのか疑わしい。ランチタイムに日経先物が上がりはじめたので、それを追いかけるようにドル円やユーロ円が上がった。いちおうリスクテークの形はしていたが、直後に地震もあったりして、この相場の流れは長続きはしなかった。オーストラリアの金利も予想通りであり、マーケットは静かなまま。
今晩はアメリカが明日の独立記念日をひかえて連休態勢に入るため、半日営業のところが多い。為替相場も早晩、動かなくなるだろう。特に欧州時間でおもしろい値動きでも示さない限りは、今夜はゆっくり休もうかな。
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