豪ドル/米ドルは200日線より深押ししない限り、なおリバウンドの余地があると思う。
(出所:米国FXCM)
■ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルは上昇継続の見通し
それでは前回(9月29日)と同様に、200日線を基準に各主要通貨の状況を見てみよう。
【参考記事】
●QE1、QE2、QE3を比較して計算。米ドル安はむしろこれから来る!(9月28日、陳満咲杜)
まず、下のユーロ/米ドルの日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは10日1日(月)の安値をもって再度200日線のサポートを確認し、足元切り返しを展開しているので、ブルトレンドを継続できる見通しだ。
2011年10月後半の切り返しと比較すると、より実感できると思う。
(出所:米国FXCM)
続いて英ポンド/米ドルだが、やや遅れて10月3日(水)安値から切り返してきているが、200日線との乖離から考えると、本来2012年4月のように、下落変動をより加速してもおかしくなかった。
それだけに、足元の切り返しは「落下重力」を否定する値動きととらえられ、やはりブル基調継続の公算が大きいとみる。
(出所:米国FXCM)
■米ドル/円は弱気基調だが下値は限定的か
そして米ドル/円は、200日線以下の推移にとどまり、弱気基調を示している。
(出所:米国FXCM)
日中緊張で円がリスク回避先として見られなくなったといった話も聞くが、少なくとも現在の状況からではこういった影響は二の次ではないかと思う。
むしろ、中国への輸出の落ち込みで景気悪化懸念が強まる中、「不況の円高」につながりやすい、といったリスクさえあると思う。
米ドル/円の浮上は、日米金利差の拡大か日銀の一段強い量的緩和がない限り、なお時間がかかりそうだ。
ただし、米ドル/円は弱くても下値は限定的であろう。
なぜなら、ユーロ/円などクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)から考えると、円安傾向が再び強まっているため、クロス円経由の円安が米ドル/円の下値を支えるといった関係が考えられるからだ。
■ユーロ/円は再び高値更新もあり得る
最後に、ユーロ/円は再び200日線を上回ってきたから、再度高値更新もあり得るのではないかと見る。
(出所:米国FXCM)
まとめてみると、為替マーケットは再びリスクオンに反応しやすい傾向を示しているから、今晩(10月5日)の米雇用統計はあまり悪くないことを示唆しているかもしれない。市況は如何に。
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