昨日はアメリカが休みだったが、株式市場だけは開いていた。参加者も少なそうだし、あまり動かないだろうと思いつつも、欧州で財務相会合が持たれている。ギリシャ支援のありようを決めるためのものだが、こちらがなかなかまとまりそうもないということで、欧州の信用不安が増大する可能性も少なくはない。いつ何時、リスク回避が進むとも限らないので、やはり米国株からは目が離せない状況であることに変わりはない。
しかし為替相場は欧州時間になってもほぼアジア時間でのレベルのままで、ドル円は79.40-50といったところ、ユーロドルは1.27台の前半である。気がかりはユーロの安さである。ユーロドルは先週末に1.26台まで突っ込んで、私もショートで攻めたのだが、ほとんど押し込まずで戻ってきている。かといってその戻りも大きいものではない。1.28台とかでロングを持っているプレーヤーからすると、ぜんぜん戻らないなあということろであろう。
財務相会合が開かれているのだから、ギリシャ支援に関して何も具体的なことは決定されないとは予想しながらも、やはり要人発言だけは要注意の姿勢を崩せない。ドイツの財務相のスポークスマンが「今日の会合では決定を見ないだろう」とコメントしたが、為替相場が反応してもユーロドルでほんの15ポイントほどだけ。動いたと言えるのはこの局面だけで、後のニューヨーク時間は、予想はしていたものの、ほとんど動かなかった。
大統領選の後に米国株が急落したが、その後がどうなるかが、これからの問題である。いまの米国株の位置づけを確認しておくと、S&P先物の価格で見ると、今年のスタートが1252で、これ自体が今年の最安値である。そこからQE3後に付けた1474が、今年の最高値でもある。これの半値が1363なのだから、これはちょうど先週の金曜日につけたレベルと一致する。
今年のゲインのうち、半分を吐き出して、そこがサポートとしてワークしているという状態だ。今年の半値であるから、かなり重要なテクニカルポイントとも言える。ここを割り込むにはさらなる悪材料が必要となろう。逆に言うと、今のままであるならば、ここが短期的なサポートとして強く意識されはじめるのも時間の問題となり、年末にかけては急激に値を戻す可能性も捨てきれないというのがテクニカル分析からの要請である。
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