昨日の欧州序盤は、ドル円の安値攻めで始まった。ドル円は88.06まで差し込んだが、87円台には突入しなかった。ここまで下げてくると、甘利大臣の発言で落とされた87.80が意識されるところだったが、ひるがってみれば買いたい人の絶好の押し目でもある。87.80を割り込んだら損切りで投げ売りすればいいのだから、リスクは少なくて済むはずだ。
それだけキーポイントの度合いが高いレベルであった。そこでドル円は下げ止まった。私自身も教科書的に取り組むならば、88円台のローでいったんは買いを入れてもよかったのだが、リスク回避のスタンスで臨んでいたので、無理してまで逆張ることもないだろうということで何もしなかった。
ドル円はそのまま堅調な地合いとなった。ニューヨーク時間では88円台の中盤がメインの取引となって、あまり下がりそうもない。ユーロドルは相変わらず1.3300をはさんでの上下動が続いている。米国株も値動きに乏しいのは、ニューヨーククローズ後のアップル決算を待ってのことだろう。私は早めに寝てしまったが、そのアップルは決算の発表後には10%超もの下落を呈したらしい。
それで今日もリスク回避の流れで行くのかなと思っていた。そして朝からドル円もやや重い感じがして、今日こそは88円ちょうど割れでもあるのかと思い、私も88.50レベルを何度も売ってみたが、同値で買い戻すのがせいぜいで、ドル円はあまり下がらなかった。そのうち10時45分に中国の経済指標が出て、景況感が改善されているという。最初のうちは反応が小さかったが、11時を過ぎてから日本株が上昇してきた。
それにつられてドル円も上昇へ。昨日も戻りが89円台に達しなかったので、88円台の後半では大いにもんだ。確かに中国株も大きくジャンプアップしている。リスクテークに向かいたいところだろう。マーケット全体としてちょっとベア気味で構えていたところでもあったので、ドル円やユーロ円でもショートカバーのほうが力強かったようだ。また政府筋から「100円がいい」みたいな無責任な発言も飛び出しているし…。
ドル円は89円台に乗せてきて、それでもしっかり。やはり買いたい人が多かったのだろう。押し目を買おうとと思っていても、実際に安いときは買えないものだ。こうしてある程度の上昇を確認してからでないとロングではついていけない。
ドル円が朝がたの安値からほぼ1円幅の反発を示したことで、今晩の市場の注目も円相場になっている。ドル円が昼間の高値である89.45を越えられるのか、また越えた場合、どこまでいくのかである。今夜の米国市場ではアップル株の下落に引っ張られての調整の地合いが予想されるだけに、リスクのありようとしてのドル円の動きからは目が離せない投資家も多いだろう。
値動きからいえば、ドル円は下から持ちあげられているので、下がっても半値どころである88.90あたりは固くなりそうだ。その手前では拾ってみて、88.80で倍返しのド転ショートーか。あれだけ大幅上昇をしていた中国株も、前日比でマイナス転してきている。アメリカ株の下げ局面も迎えるところを捕まえて、ドル円かユーロ円でショートメークか。
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