予想されたことではあったが、G20の会合が終わってからというもの、肝心のドル円は値幅が小さくなってしまった。今週のレンジは1円もないといった感じだ。93円台が中心の相場が続き、今年の最高値である94円台に向かって上がる局面はあるものの、とても高値追いして円安を追いかけるということはなくなった。反対に下攻めかと思うと、これがなかなか下げ渋る。92円台に突入することもなくなった。
私としても触手が沸くのは92円台か、それとも93円台のミドルアッパーなのだから、特にドル円で何かしたいということもなくなった。しかし動かないといっても、79円台あたりから始まったとされるアベノミクスなのだから、ほぼ高値圏に位置していることは間違いない。
昨日の欧州序盤は、ドル円の安値攻めで始まった。今週になってドル円があんまりにも下がらないものだから、93円台の前半にはファンドなどからのラージビッドが並んでいるとも言われてきた。果たして今回は下抜けするのか。ちょっと興味のわく展開ではあったが、ドル円は93.15あたりまで差し込んで、それでおしまいとなった。
やはりグローベックスでの米国株が今年の最高値近辺で張り付いており、リスク許容度から見ても円を積極的に買っていくような環境ではないということだろう。おまけに前日に大きく反発したドイツ株なども、昨年来の高値に迫っている。ドル円やユーロ円の下げも限定的なものに留まらざるをえない。
しかし最近はポンドが面白い。ポンドドルは今年の初っ端なに1.63台の高値をつけた後は、断然、下げっぱなしなのだ。円安にツラれてポンドも安さを増してきている。ユーロポンドはとても高いし、ポンド円は先週あたりから下げ基調である。ポンドドルをやるくらいならば、ユーロドルをやれと人にも言っている私であるが、ここはポンドドルのほうが取引しやすい。値動きも大きいし、極端に動く局面もある。
現在のユーロドルに対するポンドドルの関係は、昔のドルマルクに対するポンドマルクのような激しさだ。ユーロドルで値幅やダイナミックさに欠けるときは、ポンドドルの出番である。私はユーロドルを売っているつもりで、何度かポンドドルを売ってみたりした。ユーロドルが欧州序盤で1.3430あたりでダブルトップを形成したので、そのタイミングでポンドドルを売ってみようと思ったのだが、その瞬間にポンド急落!
1.54台にいたのにあっという間に1.53台の前半まで下がった。私は途中の1.5352で売り込んだが、もうちょっと早く手を出していればと悔やまれる~。ちょうどイギリスの失業率の時間帯と重なっていたようだ。雇用が悪かったのかと思いきや、指標の結果は良かったということになっている。でもここはポンドが下がっているという事実を重視しよう。
ポンドは「悪魔の通貨」と言われ、とても危ないとされている。事実、危ない。私は15ポイント取ったら、すぐまた戻りの10ポイント上で売る。アナザー10ポイントで損切りという設定で、細かくポンドショートをキープしていった。そのうちに1.52台にまで下がってきた。アメリカの住宅関連の指標が出たときにはリスクテークになってポンドドルも1.53台に戻したので私もロスカットさせられたが、その後も軟調。
そしてユーロドルと同じく、夜中のFOMC議事録でQE3について縮小問題が議論されていたことが判明してドル買いとなり、ポンドドルもまた急落となった。私は見ていなかったが、朝になって1.51台まで差し込んでいたのを見て、さすがにちょっとビックリした。
昨日は久しぶりに政策面からのサプライズが出て、金利的な側面、すなわちドルの魅力が増加したことによってドル高を演じた。それが本格化するかどうかは、今晩の為替相場もその流れを継続するかどうかで判断したい。ユーロドルの1.31台への下落や、ポンドドルの1.50台割れなどをとなるものかどうか。
当然、直撃が予想される米国株も昨日に引き続き大幅下落となったら、リスク回避の意味からもクロス円の下げ圧力は高まるだろう。米国株のオープン後からの1時間の動向を確かめて、続落しているようであれば今度はポンド円やユーロ円でも売ってみようと思う。
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