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金融ストラテジスト岡崎良介さんに聞く Vol.1
円が通貨漂流を始めた!
5年後に150円の理由とは?

景気のいい話はたくさん聞いたけど、この半年ですでに25%も円安方向に動いてる。今さら参加しても大丈夫なんだろうか? それはみんなが気にしてるところ。だったら、プロに助けてもらおう! 金融ストラテジストの岡崎良介さんに、今後の中長期的なドル/円相場の予測を聞いてきたぞ!

「この円安は過去9回の円安とはまったく性質が違う」

岡崎良介
1959年生まれ。1983年慶応大学経済学部卒。ファンドマネジャーなどを経て、日本バンカーズトラスト信託銀行(現ドイチェ・アセットマネジメント)において、資産運用部門における債券為替担当取締役として年金・投信・ヘッジファンドなどの運用に長く携わる。2012年7月、独立、TVや講演などで活躍中。

「円が今、『通貨漂流』を始めようとしています」

 そう話すのは、プロのディーラーもこっそり頼りにするストラテジストの岡崎良介さん。中長期的な市場の流れを見通す達人だ。「通貨漂流」とは聞き慣れないが、どういうこと?

「1971年、変動相場制に変わってから、15%以上の円安は9回ありました。いずれも、アメリカが金融を引き締める(金利を上昇させる)か、あるいは日本銀行による人為的な介入がきっかけ。外からの力が加わって、ドル高円安が進んでいたのです」

 最近の米ドル/円とアメリカの金利を比べたのが下のグラフ。矢印のところでは「円安・米国金利上昇」がたしかに同時に進んで……ない。あれ? ’90年代後半、’05年前後の円安では両方上がっているけど、今回の円安では米国金利は横ばいのままだ。

誰もが予想しなかった円安が始まっている!

「そう、今回の円安は今までとまったく性質が異なります。日銀の介入もないし、アメリカも金融緩和をしたまま。もうひとつ、プロが見る指標に通貨のボラティリティ(変動率)というものがありますが、これが最近上昇しています。今まで通貨のボラティリティが上昇するのは円高の局面でした。『ボラティリティが上昇し、かつ円安が進む』のは、2000年以降初めてのこと。誰もが予想もしなかったことが起きているんです」

 なるほど。為替にしろ、株にしろ、「なんとなく今までと様子が違うぞ」って、感じていたのは間違っていなかったのか。

「これまでの円安は『循環的な円安』でしたが、今回の円安は日本経済の『構造転換による円安』だと思います。この数年で、日本経済の構造は大きく変わりました。その顕著な例が貿易黒字から貿易赤字への転落です」

 日本の貿易収支は2011年に年ベースで赤字に転落。2012年も赤字額は増加している。

日本経済は「円安体質」へと変わってきた

「日本経済の体質が変わっているのでしょう。主な理由としては3つ考えられます。自動車とともに日本の輸出を牽引していた家電メーカーの敗北、原発による電力価格の不安定化とLNG輸入の増加、さらに尖閣問題による中国輸出の不振といったことが考えられます」

 となると、気になるのは「日本経済の構造変化」によって為替がどう変わるのか。そして円が「漂流」して行きつく先だ。

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