■ダイセルブルーム氏の発言をきっかけにユーロが暴落
前回の記事で指摘したが、キプロス騒動は筆者の予想どおり早期に収束した模様だ。
【参考記事】
●キプロス問題早期収束を予想するワケは? そしてその後、上昇しやすい通貨ペアは?(2013年3月22日、陳満咲杜)
しかし、ユーロ/米ドルはまた安値更新となり、200日移動平均線(200日線)の下を推移している。
(出所:米国FXCM)
やはり、キプロスショックは長引く、ということを相場が暗示しているのだろうか。
もっとも、3月25日(月)に、ユーロ/米ドルが一時1.3048ドルまで上昇し、順調なリバウンドぶりを示していたが、ユーログループ議長のダイセルブルーム氏(オランダ財務相)が「キプロス支援における銀行リストラ計画、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たな手本となる」といった趣旨の発言を行い、ユーロの暴落をもたらした。
同日、ユーロ/米ドルは1.2830ドルの安値をつけ、ユーロ/円も123.85円の高値から120円の節目に迫るまで急落した。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
目先、キプロス銀行騒動は鎮火しているものの、預金者が負担を強制させられたという前代未聞な措置に対して、EU(欧州連合)圏、特にPIIGS(※)諸国が戦々恐々としていたところへ、ダイセルブルーム氏の発言は出たことになり、マーケット心理は一気に悪化したに違いない。
明日は我が身と思っている問題諸国の国民から見れば、キプロス問題は決して対岸の火事ではないから、ダイセルブルーム氏の発言でユーロが一転暴落してしまうのも当然な結果だ。
(※編集部注:「PIIGS」とは欧州で財政面に不安があると言われるポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインを指す言葉)
今回の騒動で、EU圏のリーダーたちの管理手腕の…
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