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米ドル/円は150円を超えてきたが、サプライズではなく当然の成り行き
FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀会合が無風通過となり、米ドル全体は一段高となった。なかでも米ドル/円の上昇が目立ち、「円安がー…」とまた巷で騒ぎ出したようだ。
しかし、昨年(2024年)162円の節目をトライした水準に比べ、足元の円安の度合は深刻とは言えない。さらに言うなら、巷ではもっぱら米ドル/円に注目しているようだが、円安と言うなら、本来ユーロ/円を取り上げるべきだったのではないだろうか。
なにしろ、ユーロ/円は足元反落してきたものの、今週(2025年7月28日~)いったん174円の節目手前まで上昇し、去年(2024年)高値の175.95円へかなり接近していた。

(出所:TradingView)
5月後半から9週連続で陽線を形成し、ほぼ一本調子で円安を押し進めてきたにもかかわらず、円安、円安とあまり騒がれていなかった。換言すれば、円安云々自体は間違っていないが、世間が騒がしくなるほど、米ドル/円における円安の度合は深刻ではないということだ。
また、本コラムが指摘してきたように、ドルインデックスに比べ、米ドル/円は4月以降底堅く推移していたので、足元150円を超えたとはいえ、米ドル/円の切り返しは全然サプライズではなく、むしろ当然の成り行きだ。
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⇒米ドル/円は上昇を見据えた対応で! 今年は「夏の円高アノマリー」とは無縁!? 米ドルの買い戻しはしばらく続き、投機筋の行動変化で円は一段と売られやすい環境に(2025年7月11日、陳満咲杜)
米ドルの底打ちを示唆するフォーメーション。切り返しは、しばらく続くだろう
なぜなら、米ドル全体(ドルインデックス)が底打ちしたからだ。筆者のXにて指摘したように、「三尊底」のフォーメーションを形成し、また足元ではすでに上放れを確認できた。よって、米ドル全体の切り返しとリンクして、米ドル/円の150円の大台乗せは当然の成り行きである。今さら円安、円安と大袈裟に言う方がいるなら、かなり鈍感だと言わざるを得ない。
逆三尊? #ドル指数 #フォーメーション #FX pic.twitter.com/GMcwhDK5hz
— 陳まさと@プライスアクション (@chinmasato) July 29, 2025
ちなみに、テクニカル上のアプローチは、異なる手法でも同じことを示していることが多い。前述の「三尊底」というフォーメーションの示唆以外に、「1-2-3の法則」でもトレンドの転換が示唆されているから、米ドルの切り返しはしばらく続く見通しだ(本コラムでは「1-2-3の法則」について再三説明しているので、ここでは省くが、詳しくは下記関連記事をご参照いただきたい)。
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⇒米ドル/円の本格的な下落、本格的な円高はこれから!基本的なスタンスは、やはり米ドルの戻り売り。ユーロや英ポンドは対米ドルでの上昇トレンドが続く(2024年8月23日、陳満咲杜)
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(出所:TradingView)
米ドルの上昇は本物! しばらくは順張りのみで対応したい
米ドル/円に関してはいろいろ見方があるが、筆者はシンプルなアプローチのが一番有効だと思う。下のチャートが示しているように、黄色のラインで囲まれた従来の変動レンジが7月16日(水)までの高値更新(チャートの(1))でいったん打破されたものの、同日が大陰線だったがゆえに、上放れ自体が「ダマシ」の可能性があった。
しかし、足元151円の節目直前まで上昇しており、「ダマシ」の疑いが晴れた上、7月24日(木)安値(2)を起点とした新たな変動レンジが形成され、また上値余地が拡大していることを示唆している。

(出所:TradingView)
ちなみに、プライスアクションの視点では、7月16日(水)のローソク足が灯したサインが非常に重要な意味合いを示していたから、同日の高値がブレイクされたこと自体、米ドルの上昇が本物であることを暗示している。しばらくは順張りのみで対応していきたい。
最後に、米ドル/円の200日移動平均線(200日線)が、目先、約149.60円にあることを記しておきたい。要するに、200日線をいったん回復したから、「夏の円高」といった杞憂は不要だ。そのワケについては、また次回詳しく解説したい。市況はいかに。
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