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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円は押し目買いのスタンスを維持! 145円台の
サポートを大きく割り込まない限り、200日移動平均線を
再び試す可能性! 金融市場は「資産バブル」の状態に

2025年08月08日(金)17:18公開 (2025年08月08日(金)17:18更新)
陳満咲杜

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リスクオンでも円安の大きなサインは見られないが、足元は円高のタイミングではない! 2025年の夏は異例?

 金融市場は「資産バブル」の様相を呈している。エヌビディア株の180ドル大台乗せが象徴しているように、米国株(S&P500、ナスダック)の連続した史上最高値更新を追随し、本日(2025年8月8日)TOPIXが史上初の3000ポイントの大台乗せを果たした。日経平均の史上最高値更新ももはや時間の問題で、早ければ本日(2025年8月8日)中に更新となる可能性もあった。

 そして、連動しているように、金(ゴールド)の3500ドル突破も確認され、4月に付けた史上最高値を再度更新した。先月(7月)史上最高値を更新したばかりのビットコインも、近いうちに再度高値を更新すると推測されるのではないかと思う。

 要するに、リスクオンの状況だ。リスクオンなら円売り、と言いたいところだが、今のところ大きなサインが見られていない。今年(2025年)は「異例」かもしれないが、少なくとも足元は円高のタイミングではないことだけは記しておきたい。

米ドル/円は先週(7月28日~)いったん151円の節目手前まで切り返し、筆者の想定した値動きとなった。しかし、8月1日(金)の夜、米雇用統計を受けて大きく反落し、足元では保ち合いの様相を呈しているから、円安が進行しているとは言えない。しかし、前述のように、少なくとも円高の状況ではないことも明らかだ。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ドルインデックスは「売られすぎ」に対する反発が続く可能性が高い

 もっとも、今年(2025年)上半期における米ドル安自体が「史上最大」とされ、米ドル安に伴う円高の進行があった。そして、肝心の米ドル全体の状況はというと、2025年年初来の「売られすぎ」に対する反発が続いている

 ゆえに、ドルインデックスでみると、先週(7月28日)の大陽線があっても、調整(切り返し)の目途にはついていないと思う。

 フィボナッチ・リトレースメントをチャートに表示すると、2025年年初来高値を起点とした全下落幅の38.2%反騰した位置は101半ば前後を示しており、5月高値の101.81と整合性が取れている。よって、ドルインデックスの反発がなお続く公算が高い

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足チャート

(出所:TradingView

 注意していただきたいのは、FOMC(米公開市場委員会)や日銀会合の通過、そして7月米雇用統計を受けて形成されている相場自体、「2025年年内米利下げ」や「日銀追加利上げ」を織り込んだ結果である。

 一部の予想では、2025年年内に日銀は利上げをできないのではないか、といった可能性も提起されているが、市場のコンセンサスになっていないため、基本的なシナリオとして「2025年年内に1回の利上げあり」というシナリオが維持されている。

 しかし、足元ではインフレの絶対水準に日米の逆転(日本のほうが高い)が見られたにもかかわらず、実質金利差はなお圧倒的に米国のほうが高い

 米国は、2025年年内1回どころか、仮に2回の利下げがあっても、年内1回の利上げを前提とした日本との格差がなお大きいから、円買いが継続されない大きな理由ではないかと推測される。

日銀追加利上げがあっても、「円買い」にはならず「円買いポジションの整理=円売り」に利用される可能性がある

 そして、名目実効為替レートでみる円の弱さも目立つ。米ドル全体はまだ売られすぎに対する修正の段階にあり、決して強くないが、円も同様で、利上げ観測があっても強くなっていない。

 実際、日銀利上げの前提条件である「賃金と物価の好循環」自体が怪しくなってきた(賃金上昇率は名目、実質ともに市場予想に届かなかった)ので、「2025年年内の追加利上げなし」もあり得る。

 もちろん、基本シナリオとして「2025年年内1回利上げあり」と相場はすでに織り込んでいると思う。だからこそ、追加利上げがあるからと言って円高になるとは限らない。むしろその逆ではないかと思う。

 すなわち、日銀の追加利上げがあっても円は買われるのではなく、円買いポジションの整理(すなわち円売り)に利用される可能性がある。

トランプ関税の正式な発動で、相場の材料としては「賞味期限切れ」に?

 そして、もう1つのヤマ場の通過も円売りのいったん終了を示唆している。それは、ほかならぬ、トランプ政権が仕掛けた関税戦争だ。これからも不確実性が高いが、正式に新関税が発動された分、相場にとって材料の「賞味期限切れ」となりやすく、円買いポジションの整理が続くとみる。

 さらに、トランプ政権が仕掛けた「関税戦争」で、4月に金融相場が大きなクラッシュを経験した。だからこそ、今年(2025年)はいわゆる「夏の円高」が見られないかと思う。アノマリーでは4月株高になりやすく、8月や9月が株安・円高になりやすいと示唆されているが、今年(2025年)はその「リズム」が乱れただけに、アノマリーが通用しなくなる可能性が大きい。

 とはいえ、米ドル/円は8月1日(金)に大反落したから、ここから安易に同日の大陰線を否定できるとも思っていない。米ドル/円は底堅く推移できても、2025年年初来の急落に対する修正の段階にあり、過大評価も避けたい。

 実際、米ドル/円はいったん200日移動線(現在149.50円程度に位置)を超えたものの、執筆中の現時点まで上に定着できずにいる

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 同線を超えない限り、米ドル/円の反騰が一段と強まることもなかろう。しかし、145円台のサポートを大きく割らない限り、早晩もう1回打診できるとみるから、引き続き押し目買いのスタンスを維持したい。

 なお、現在の為替水準は、日本にとって「居心地の良い」状況だと言える。この状況では日本株の上昇が想定より早く、また上昇幅拡大の可能性があるから、今年の日本の夏は緊張ではなく、文字どおり”金になる鳥”の「金鳥の夏」になる公算が高い。市況はいかに。

13:00執筆

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