アメリカの第1四半期のGDPが悪かったということで、先週末は大きくリスク回避に向かった。円の買い戻しが激しく入り、ドル円は久しぶりに97円台を見ることとなった。今週はその流れが継続するのかどうかが焦点となる。
たしかにGDPの本体の数字は悪かったが、中味を見ていくと個人消費などは実に堅調だ。政府支出が大きくへこんでいるのは歳出の強制カットがあったのだからやむをえないところでもある。これらを勘案して市場での材料の消化がどのようになされるのか。
昨日は日本が休みだったのでアジア時間ではマーケットは閑散としていた。しかしお昼ごろにはドル円が下げ足を速め、金曜日の安値である97.55をも下回ってきた。投げ売り一巡の後は、ショートカバーも入ったが、それでも97円台のミドルで重い展開が続いた。
しかし欧州時間では逆にリスクテーク。イタリアで新政権が発足したということもあって、それを好感したものだろう。ドル円も98円台近くまで戻してきたが、そのまま動かなくなってしまった。あとはニューヨーク待ちと言ったところ。
私としてもドル円はいったん下値を切り拡げたのだから、上値で作ってしまったロングポジションの処分が出てくることも考え合わせると、当面は重いだろうと見ている。戻っても98円台の中盤まで達することができるかどうかも疑わしい感じだ。そのうえ、ここ数年は4月に最大のリスクテークのステージを迎え、株価もドル円なども、ちょうどその時期に年の高値をつけている。
パターン分析的に盲従するつもりはまったくないが、毎年そうだというのにわざわざ無視してやっておかなかったために後悔するのも嫌だ。そうなると、どうしても4月末に向けてドル円かユーロ円でショートに振っておきたいところだ。ポジションは小さくてもよい。ちょっと長めで持てるようなポジションにしておこう。
欧州株が高めに推移したおかげで、米国株も堅調な出足となった。先週まで調整がメインだったのに気がついてみるともう今年の最高値の近くにいる。マーケットも全体的にリスクテーク気味となり、ドル円も98円台に戻してきた。このレベルは売ろうと思っていたので、私はちょっとだけ98.11で売ってみたが、私が寝入るまではあまり動かなかった。
今日の早朝にドル円が97.70あたりまで差し込んだが、それ以上は進まなかった。むしろ反対に月末の外貨需要もあるだろうという観測のもとに邦銀勢の買いに当てられた格好となり、98円台まで戻してきた。私も完全に利食い損ねたわけだが、これは月末をまたいででも持ちたいと思っているので、アゲインストに行かない限りは50ポイント位の値動きには目をつぶるつもりで我慢した。
上値は重たいものの、その後97円台に再突入したドル円は、日本株の堅調さもあってなんとかそれなりに堅調さをキープしていた。しかし東京時間も終わりに近づいてくると、また早朝のレベルにまで押し込まれてきている。やはり今年も同じパターンを踏襲していくのだろうか。
今晩はアメリカの景況感の経済指標が二つ出る。最近はややセンチメントが低下しているのが気になるところだが、逆に言うと多少悪くても織り込み済みということで無視される可能性が高そうだ。予想の数値よりも大きかったら、米国株は再び歴史的な高値を更新してきて、リスクテークに弾みがつくかもしれない。そうなると私のドル円ショートも一時的に撤退だ。なんとか持ちこたえてほしいものだが…。
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