昨日のドル円はアジア時間では重たい感じだった。102円台をやってしまった後でもあり、上値を確かめた格好となったからだろう。利食いたい人は利食うべきタイミングに入ったものと思われ、欧州勢が参入する頃には101.30あたりまで差し込んでいた。
ドル円は下がっているのだから、私もトレンドフォローということで、どこかでドル円を売っていきたいと思った。しかしもうちょっとだけ待って、ドイツの景況指数を見てからにしたほうがよさそうだ。
実際のZEW指数の数字は予想を下回ったが、ユーロ売りになったのは最初の3分ほどだけで、すぐにユーロの買い戻しも入って、ユーロドルの1.29台は短時間だった。ドル円も安値模索をしていたのに、妙に底堅くなってきた。
やはり同じように指標を見てからポジショニングを決めようと思っていたプレーヤーも多かったのだろう。あまりドル円が下がらないと見たら、そこは逆に買い場になるというものだ。
その後のドル円の歩みは強かった。グローベックスセッションでは米国株が今年の最高値、つまり歴史的な高値を更新してきたので、純然たるドル買いになったのだ。ニューヨーク序盤はそうした株高もあって、リスクテークの勢いが強まった。
ドル円は102円台を回復してきて、クロス円にもせっせと買いが入っている模様。ユーロドルは1.29台に下がっていたが、戻りの局面でも1.30台を回復することはなかった。
そして日付けが変わった頃に、ドル円はストップロスを巻き込んで、高値を更新してきた。ちょうど米国株がラリーしている時間帯だった。そしてドルは全面高となって、そのまま高値圏をキープしながらのニューヨーククローズとなった。
今日のアジア時間ではドル円は102円台で小動き。日本株が海外にツラれて大幅上昇している割には、ドル円が高値追いをしようという気概が見えない。円債市場が急落しており、資本市場の不安定さを露呈しているからだろう。
少なくとも円債が下落しているのだから、長期金利ではあるが円金利なるものが上がっているのだから積極的な円売りにはなりにくいのだろう。また債券相場が妙な動きを始めると、株価の上伸も止まる。
さて今晩はアメリカのPPIやエンパイア指数、対米証券投資など、多くの重要な経済指標が出る。たくさん出過ぎて、いったいどれに反応すべきかわからなくなってしまうほどだ。
是々非々で対処していると、相場の上も下もたたいてしまうことになりかねない。そこで、わかりやすいものと言えば株価である。米国株の動向をにらみながらのポジショニングが望ましいと思う。
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