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ザイFX!が闇株新聞に聞く為替の裏側(2)
闇株新聞さん、あなたは誰なんですか?

2013年06月14日(金)15:00公開 (2013年06月14日(金)15:00更新)
ザイFX!編集部

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「ザイFX!が闇株新聞に聞く為替の裏側(1) とりあえずの「円安」は終わったのか?」からつづく)

 この4月に書籍『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社、税込1680円)を上梓した人気ブログ「闇株新聞」。その闇株新聞氏にザイFX!はメールで取材することに成功した。

前回は米ドル/円相場の見通しやユーロが絶対に崩壊しない理由などについて闇株新聞氏に聞いたが、今回は「基軸通貨」の意味を掘り下げて聞いたり、トレーダーとして活躍してきた闇株新聞氏にFXトレーダーに対するアドバイスをしてもらったりしている。

トレーダーとして巨額の利益を上げてきたともウワサされる闇株新聞氏。その正体についてはネット上などでいろいろ取り沙汰されているが、完全に明らかになっているわけではない。

 そこで、ザイFX!は謎に包まれた闇株新聞氏の正体に迫る質問もしてみたのだが…。果たしてその答えは…?


■Q5 「円の国際化=基軸通貨化」は本当に可能なのか?

ザイFX!:『闇株新聞 the book』の為替の章を読むと、キーワードとして「基軸通貨」という言葉がかなり出てきます。 そして、基軸通貨とは「世界中で誰も受け取りを拒否しない通貨」(p15)という簡明な意味づけがなされており、基軸通貨の最大のメリットは「財政赤字のファイナンスが世界中でできる」ことと解説されています(p70)。

 さらに「本紙は、日本は今こそ『円の国際化=基軸通貨化』を推し進めるべきだと考えます」と書かれているのですが(p70)、円が国際化していくイメージがどうも湧いてきません。そのようなことは可能なのでしょうか?

 また、円が基軸通貨化していくと、それは円安要因になるのでしょうか? 円高要因になるのでしょうか?

闇株新聞:何度も書いてきたのですが、基軸通貨のメリットは計り知れません。日本の場合は特に「世界中で円の保有が進むと、その運用のために日本国債の保有が進む」ことが大きいと思います。確かに債務残高が減ることにはならないのですが、その保有先が増えることは大きいはずです。



 現在の基軸通貨である米ドルとユーロは、それぞれ問題を抱えており、「世界中の誰もが喜んで受け取り保有している」わけではないはずです。代替通貨がないので我慢しているだけなのです。

 円は、バックとなる日本経済の大きさ、カントリーリスクの少なさ(革命が起きて共産化やテロ国家になる可能性があまりないという意味です)、金融システムが一応整備されている、逆説的ですが運用手段としての国債市場が大きく流動性がある、などの理由から基軸通貨国になる「資格」を十分に備えています。

 だから、現在の「異次元」金融緩和で、円を発行する日銀が「巨大なヘッジファンド」になり、国債市場の流動性が失われているのは「国家的損失」となるのです。

 基軸通貨になることは「円高要因」か「円安要因」かですが、一般的には世界で保有が進むということは経常収支が赤字だということなので「円安要因」と考えられますが(米ドルの歴史を見てください)、いろいろと複雑な要因が重なりますので一概には言えません。


 

■Q6 闇株新聞さんの快心のトレードは?

ザイFX!:『闇株新聞 the book』の「日本国債が海外で買われると思う理由」(p131)では、「長年トレーダーとして、世界の債券市場に参戦していた者としての確信がある」と書かれており、債券トレーダーとして長年活躍されていたことが明らかになっています。

 また、闇株新聞さんはかつてトレードで巨額の利益を上げてきたとのウワサもあるようです。闇株新聞さんのこれまでの快心のトレードについて教えてください。

闇株新聞:これから徐々に「公開」していこうかと考えています。

■Q7 FXトレードで利益を上げるにはどうすればいい?

ザイFX!:ザイFX!は為替とFXの総合情報サイトであり、その読者の多くは「FXで何とかして勝ちたい」と思っているFXの個人トレーダーです。

 そのような読者に対して、トレードで利益を上げるためのアドバイスがありましたら、お願いします。

闇株新聞:FXトレードは、短期的に収益を上げる投資家が圧倒的に多いと思われるため、あまり「そもそも論」は役に立たないと思います。また、経験的に「市場の値動きから教えられる」ことが多いことも良くわかっています。

闇株新聞:その中で1つだけアドバイスがあるとすれば、ご自身で基本シナリオを「長期」「中期」「目先」と立て、これが同一方向に揃わない時は(普通は揃いません)、あまりのめり込まないことです。

 たまに(1年に1~2回ですが)、これが揃う時があります。その時は思い切ってポジションを取るのですが、それでも不思議に最初は逆方向に行ってしまいます。そこでどう「我慢」できるのかと、うまくいき始めたときにどう「利食いたい」衝動を抑えるかです(実はこれが一番難しい)。

■Q8 金融市場や相場を考える上で歴史は重要?

ザイFX!:『闇株新聞 the book』を読むと、歴史の話がかなり出てきて、闇株新聞さんは歴史にとても造詣が深いという印象を持ちました。「イギリス王室は海賊の子孫」(p83)という話も出てきたりして、とてもおもしろかったです。

 闇株新聞さんは歴史にとりわけ興味をお持ちなのでしょうか? あるいは金融市場や相場を考える上で、歴史は非常に重要だとお考えですか?

闇株新聞:「海賊はユーロが嫌い」というのもありませんでしたか? 王室が海賊の子孫なのは、英国のほかにノルウェー(EUにも未加盟)、スウェーデン、デンマークがあり、見事にユーロに未加盟です。



世界の金融市場の動きを考える時には、歴史、人種、宗教などあらゆる知識を動員しないと奥深い分析ができません。太古の時代から最近までの歴史を理解しておくと、何か動きが出たときに「直感的」に閃くものがあるので、一層興味が出てくるのです。

 相場には関係がなくても、LIBOR不正操作でなぜバークレイズが真っ先に挙げられたのか?といったことなども、リーマンブラザーズ破綻時の状況を理解していれば、ピンと来るものがありました(※)。必ず因果関係があるものです。

 さて歴史を考える時、一番わからないのが実は「日本と日本人の起源」です。これがわからないので日本に関係した予想が非常に難しくなるのです。

 日本人の祖先をはっきりとさせる研究が必要なのですが、いまだに藤原不比等が720年に編纂した「日本書記」が唯一の正史です。このような国は世界中を探しても見当たりません。

(※編集部注:「LIBOR」とは「ロンドン銀行間取引金利」のこと。これが不正操作された事件の背景について、『闇株新聞 the book』では解説されている)


 

■Q9 闇株新聞さん、あなたは誰なんですか?

ザイFX!:株式市場を舞台とした数々の経済事件の闇を掘り下げる一方、欧州の長い歴史を踏まえた上でユーロの行く末を見通す闇株新聞さんは、いったいどういうご経歴をお持ちなのでしょうか?



 差し支えのない範囲で、できるだけ詳しく闇株新聞さんのプロフィールを教えてください。

 また、『闇株新聞 the book』の出版を機に、ザイFX!のウェブサイト上で闇株新聞さんのお名前を明らかにするお気持ちはないでしょうか?

闇株新聞:もう少し考えさせてください。


 闇株新聞氏とはいったい誰なのか? 「その公式発表をぜひザイFX!上で」と期待して質問してみたのだが、残念ながら、闇株新聞氏はその正体を明かしてくれなかった。

 ただ、「もう少し考えさせてください」という答えなら、今後に期待が持てるのかも!?

 ザイFX!としては、闇株新聞氏の為替相場に対する独特な見方や、トレーダーとしての実績などにも興味があるところ。難しい取材になりそうではあるのだが、また再び闇株新聞氏への取材に成功したら、当コーナーなどでお伝えしたい。

(取材・構成 ザイFX!編集部・井口稔)

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