■WTI原油が反発し、豪ドル/米ドルは1.03ドル台まで上昇
みなさん、こんにちは。
まず2012年6月28日(木)のコラムでご紹介したWTI原油(※)ですが、大きく反発し、一時88.04ドルまで高騰。
【参考記事】
●売られ過ぎた原油が反発。1700ポイントも下落したユーロ/豪ドルに再注目!(6月28日)
先週(6月25日~)は77.28ドルまで下落していましたので、数日で15%も急騰しています。
連れて資源国通貨の豪ドルも反発。
豪ドル/米ドルは、先週、6月28日(木)の安値0.9996ドルから1.0321ドルまで300ポイント強反発しました。
(※編集部注:「WTI原油」とはウエスト・テキサス・インターミディエート原油のこと。米国アメリカのテキサス州西部とニューメキシコ州南東部で産出する軽質原油。WTI原油を対象とした先物がニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されている)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
一方、ユーロについては、6月29日(金)に、ESM(欧州安定メカニズム)から銀行への直接資本注入と銀行監督制度の統一が発表され、ユーロ/米ドルは一時1.2693ドルまで高騰。
しかし、その効果は数日しか持たず、7月4日(水)には1.2508ドルまで反落しました。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
結果、6月28日(木)のコラムでご紹介したユーロ/豪ドルは、1.2169ドルまで急落しています。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 4時間足)
ユーロ/豪ドルの前回の安値は、2月7日の1.2133ドル。
仮にこのサポートが崩れると、ユーロ/豪ドルの下落に加速がつくため、友人のヘッジファンドもユーロ/豪ドルの動向に注目しています。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
■LIBOR不正操作問題で下落余地が拡大した英ポンド
前述のように、ユーロは依然軟調な展開を続けており、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)は続落。
個人投資家の間ではあまりなじみがありませんが、2012年7月4日(水)の夜、ユーロ/スウェーデンクローナが8.6490クローナまで急落したことがマーケットで話題になっています。
(出所:CQG)
ただ、こうしたユーロクロスの下落に追随しないのが、ユーロ/英ポンド。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
それはユーロ/米ドル同様、英ポンド/米ドルも続落しているためです。
その背景は、ブルームバーグやロイターといった海外ニュースで連日報道されている、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)不正操作問題が英ポンド安を誘引しているため。
LIBORの操作疑惑をめぐっては英大手銀バークレイズが27日に不正を認め、英米当局に総額4億5000万ドルの罰金を支払うことに同意した。
タイムズが関係筋の話として報じたところによると、RBSはバークレイズと同様の不正が行われていたことを認めた。ただ、バークレイズのケースほど悪質ではないとしている。(出所:ロイター)
このLIBOR不正操作問題は、英中銀や英政府も関与しているという問題にまで拡大し、英ポンド安を誘引しています。
この問題は英ポンドだけではなく、欧州の金融機関全体の問題に発展しており、グローバルマーケットは再びリスクオフの相場展開になるのではないかと懸念されています。
下落が収まらないユーロクロスに加え、LIBOR不正操作の行方に注目が集まり下落余地が拡大している英ポンドの動向にも注目。
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