昨日のアジア時間では中国のマネーマーケット、つまり資金を貸し借りする市場の問題がクローズアップされた。この問題自体は以前から存在することなので、別に目新しさはない。
PBOC(中国人民銀行)が短期金利の上昇に目をつぶるのには理由があって、名目金利よりも高く推移している実質金利をカバーしなくてはならない市中銀行の融通力の低下にあった。しかし株価急落など副作用に目をつぶれなくなって、いよいよ何か手段を講じるのではないかとの観測が立ってきた。
昨日の東京市場の午前中は快調にスタートし、日経先物は13240円まで大きく上昇。リスク許容度の増大でドル円も98円台まで上げた。そうしたなかで中国株が大幅下落を喫したのである。年初来安値であることはいうを待たないが、リーマンショック以来のレベルにまで逆戻りだ。これではリスク回避が急がれる。
日経先物は高値から500円幅も下落し、ドル円は1円近くも下落した。私も中国株の下落を見ていて、何度もドル円のショートで参戦。15ポイントほどで買い戻しては、また売り場探し。このまま中国株が下げ続けるならば、欧州時間になる頃までには95円台にまで突入するかもしれないと思っていた。
夕方になってPBOCが市場を鎮静化するべく努力をすると表明したので、株価の下落も底割れは防げた感じとなった。こうなるとリスクテークしたい筋のプレーヤーの活動が盛んになる。グローベックスでの米国株も急上昇に向かい、ナイトセッションでの日経先物も反転・上昇。97円ちょうどを瞬間的に割り込んでいたドル円も、急反発に向かいだした。
そこで私もドル円を買っていくことにした。アメリカの経済指標の時間まで持っていたくないので、少しずつ、慎重にである。ドル円を97.35あたりから買い始めて、取れれば10ポイントでもよいという感じで、すぐに利食い売り。
アメリカの経済指標はたくさんでたが、めずらしく出るものすべてが良いものだった。為替相場はドルの全面高となって、ユーロドルは1.30台へ沈んで、ドル円も97円台の後半へ。米国株はすでに上昇していたので、ニューヨーク時間になってからの値動きはむしろ静かだった。
こうなってくると中国株の動向も気になるマーケット展開がしばらく続くことになろう。先週来の米国の長期金利に加えて、ウオッチすべきものが増えたことになる。昨日の海外市場でのリスクテークを反映して、本日のアジア時間でもリスクテークで始まった。ドル円は朝から邦銀勢が中心となって買われており、早々に98円台に乗せてきた。日本株も昨日の高値レベルまで攻め込んで始まった。
しかし中国株が始まると、振るわなくなった。それを見るとグローベックスでの米国株も急速に下げはじめ、日経先物も再び12000円台へと沈む。こうなると私もドル円をショートにせねば!98.07あたりから売り始めて、97.76でも売り増している。外部環境の好転が見られるまでは、このポジションをキープするつもりである。
今晩は大きなイベントもないので、長期金利と株価に左右される比率が大きくなるだろう。ドル円は昨日の安値である96.97を下回れるかどうか。そのときユーロドルは今よりも上がっているのか下がっているのか。それらを小まめに検討していって、さらに攻めるべきかどうかを考えようと思う。
日本時間 15時30分
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