昨日のアジア時間でドル円は100円台での重さを露呈し、欧州序盤では100円割れも。朝は101円台だったのだから、1円以上の下げである。私もチョコチョコと手を出してショート攻めしていたが、それも日本株を見ながらの操作であって、株価が下げているあいだのみ。次の日には日銀の金利会合も控えているので、期待ベースのリスクテークが起こらないとも限らない。
株価が絶対ではないが、この2カ月間での株価との相関性の高さからすれば、見ないわけにはいかない。また逆に、現在のレベルがどんなに安かろうとも、株価が下げ基調でダウンティックしているうちはドル円を思い切り売っていける。101円台まで戻してきて、あれだけ押し目買いをしたいと思わせていた相場つきも、簡単にひっくりかえってしまうものだ。
アジア時間に比べると欧州時間は静かだった。ニューヨーク時間の午後に前回のFOMCの議事録公表と、またクローズ後にはバーナンキ議長のスピーチもあるということで、マーケット全体が様子見になるのは仕方がなかった。ドル円は100円台の前半で動きづらそうにしていたし、ユーロドルのほうはややショートカバー気味で1.28台まで戻していた。早めに寝ておいて、夜中の3時起きにするか。
私は3時には起きれず、4時半になってしまった。画面を見ると、ドル円もユーロドルも寝る前と同じようなレベルでやっている。どちらも上下に振らされたようだが、元に戻っていて、次のバーナンキ待ちになっている。議事録なのだが内容はほぼ予想通りであり、緩和縮小にはさらなる雇用の改善が必要であるとし、半数のメンバーが年内の緩和終了を支持したというもの。
このFOMCの議事録ではどちらに反応してよいか、不明確な表現である。緩和の必要性と停止の可能性を同時に語っているのだから。マーケットも気迷いが見えて、株価も上下に激しく振れたようだ。上も下もやったという感じで、行って来いの相場。
引け後のバーナンキ議長も従来と同じことしか話していないのだが、ニュアンスとしては「緩和継続の必要性」を強調したような発言となった。前回が緩和縮小のほうに過度に焦点が当たってしまったので、その反動が起こった。ドルは急速に売られ、ドル円は議事録の直後につけた安値をも下回ってきて99.40あたりまで沈んだ。
そんなに売るような材料なのかなと不思議に思いながらも、私もこの落ちる過程で99.58で売り込んでいったのだが、見事に刺さった。すぐに買い戻しはしたものの、それでも結果的には100円台に戻せなかった。すでに時間外取引になってはいるが米国株は急上昇。
そして米国債も上昇し、長期金利は急低下。外部環境だけを見ると、このバーナンキ発言を好感しているのかな、やはり。そして7時半過ぎには邦銀勢を中心としてのドル売り再開。このステージでドル円は98円台の前半まで突っ込んだのだが、30分ほどで99円台まで戻しきった。
とにかくバーナンキ発言によって、ドル相場になり、その不安定さは増した。ドルの買い戻しもかなりきついものとなっている。ドル円は早朝につけた安値である98.26に並ぶかのようにしてアジア時間の午後にも98.27まで安値攻めをしたが、いいところで止まり過ぎて短期的なダブルボトムを形成した格好となって、欧州序盤ではドルがかえって高くなっている。
ユーロドルは1.31台を割り込んで、ドル円も99円台に乗せてきたりしてる。戻るとなれば全戻しも考えられるわけで、100円台まで回復しても驚かないという態勢を組んでおかないといけない。
今晩は失業保険しか目立った指標はないが、ドル相場の行方を決定するためにも、すでに大幅高となっている米国株はこの後どうなるのか。また同じく緩和継続ということで、とても高くなっている米国債が現状を維持できるのか。それらを見ながらのプレイとなろう。長期金利に低下の余地がありそうならば、ドル売りでもう一度トライしたいところだ。
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