ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

西原スーパーバナー
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

ユーロ/ドルがわずか2日で450pips急騰!
ただし、再び下落する可能性が濃厚

2013年07月11日(木)17:42公開 (2013年07月11日(木)17:42更新)
西原宏一

投資情報充実の外為どっとコム!当サイト口座開設者限定キャンペーン実施中!

■ユーロ/米ドル、わずか2日で450pips急騰!

 みなさん、こんにちは。

 7月11日(木)未明、東京市場で米ドルが急落しました

 米ドル/円も98円台前半まで急落していますが、特筆すべきは、ユーロ/米ドルが7月9日(火)の安値からわずか2日で、約450pipsも急騰していることです。

ユーロ/米ドル 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足

 ユーロ/豪ドルなどのユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)も暴騰しました。

ユーロvs世界の通貨 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロvs世界の通貨 1時間足

 主に、マーケットの米ドルロングが急激に調整されたという展開になっています。

■ECBドラギ総裁は「われわれの出口はかなり遠い」と発言

 ここで、先週(7月1日~)からのマーケットを振り返ってみます。

 まず、先週(7月1日~)注目されたECB(欧州中央銀行)とBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])による政策金利発表ですが、多くの市場参加者が想定していた以上に、マーケットのドライバーとなり、相場の主役はユーロと英ポンドへ移りました

 最近の新興国経済の後退から考えると、ドイツが輸出の落ち込みから回復する見込みは少なくなってきました。

 特に中国経済の減速が、オーストラリアのみならず、ドイツ経済にも大きな影響を与えています。

 こうしたユーロ圏の成長の減速が鮮明になってきたことを背景に、ドラギECB総裁は、初めてフォワード・ガイダンス(先行きの手がかり)を導入しました。

 そして、ドラギECB総裁の以下のコメントに注目。

「金利は長期にわたり、現行水準かそれ以下に」

「EXTENDED PERIOD IS NOT 6 MONTHS, IT’S NOT 12 MONTHS, IT’S AN EXTENDED PERIOD OF TIME(6カ月でも12カ月でもない。長期的ということだ)」

「OUR EXIT IS VERY DISTANT(われわれの出口はかなり遠い)」

 FRB(米連邦準備制度理事会)は出口を模索しているわけですが、ECBは「OUR EXIT IS VERY DISTANT(われわれの出口はかなり遠い)」というスタンスなので、ユーロ/米ドルの下落が鮮明になったのです。

■ユーロショートに傾いてきたところに米ドルが急落!

 加えて、7月9日(火)には、ECBのアスムッセン理事が「新たなLTROの可能性を排除せず」とコメントしたことから、ユーロ/米ドルの下落はさらに加速。

 ユーロ/米ドルは、厚いバリアが横たわっていた1.2800ドルをブレイクし、次のサポートの1.2745ドルをブレイクする目前まで急落しました。

ユーロ/米ドル 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足

 こうしてECBとFRBの金融政策の違いが鮮明となり、マーケット参加者がユーロショートに傾いてきたところに、7月11日(木)未明のFOMC議事要旨を迎えました。

 そこで、バーナンキFRB議長による下記のコメントが、米ドル急落を誘因しました。

「予見可能な将来、非常に緩和的な金融政策が米経済に必要とされる」

「米失業率が6.5%に低下しても自動的に利上げしない、金利引き上げはしばらく後の可能性」

 ただ、このコメントは議長が「金融引き締めはまだ当面先」と述べていたことと変わらず、目新しい材料ではありません。

■加熱した引き締め期待への牽制

 ECBがフォワード・ガイダンスを導入し、マーケットがユーロ売りに傾いたところで、前述のバーナンキFRB議長のコメントが出たのです。

 これにより、短期筋のユーロ/米ドル、ユーロクロスショートのカバーが一挙に出たことが、7月11日(木)午前の大相場を演出したと考えています。

バーナンキFRB議長は、加熱した引き締め期待への牽制をしたという見方が多いようです。

 結局、7月11日(木)午前の米ドル急落は、日銀、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])、ECB、BOEと続いた緩和競争の中、マーケットが米ドル高に傾き過ぎていたことの調整だったのでしょう。

 ECBがフォワード・ガイダンスを導入したことは変わりませんので、ユーロ/米ドルの下落基調は変わらず

 当面のユーロ/米ドルは、1.28~1.33ドルのレンジで揉み合った後、次第に値を下げてくる可能性が濃厚です。

ユーロ/米ドル 日足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)です。

西原宏一投資戦略メルマガ「トレード戦略指令!」

「トレード戦略指令!」10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。

人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
トルコリラスワップポイントランキング キャンペーンおすすめ10 人気FX会社ランキング
トルコリラスワップポイントランキング キャンペーンおすすめ10 人気FX会社ランキング
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る
キャンペーンおすすめ10